わたくしは、猫!名前はまだないも同然。4
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そんなふざけた頭の状態の中、考える。
そしたら、猫太郎の彼女への悪口なら
ちょっとだけ覚えてる。
夜の公園で、恋人に振られた後、
ブランコをこいでいる姿が滑稽だったって。
おかしくなっていたんだろう、
ちゃんとしたこころじゃ、
なくなっていたんだろう、
ブランコ降りた直後転んじゃって、
そのまま座り込んで声あげて泣いていたって。
その姿が、とっても滑稽だったから、
大声出して、嘲笑ってやったって。
だからあたしが何とかしてやらなくちゃ、
ならないでしょう。
それは、戦うでしょう、彼女のために私。
私、別に彼女のことが好きとか、
そんなのホント全然ないんだよ。
まぁ、家族を馬鹿にされたり、
家族の失敗を笑われたらむかつくじゃない?
そんな感情の延長だよ。
(でも家族って絆、メッチャ、深くない?)
彼女は、私を、
部屋の隅っこに追い込んで、捕まえて、
どこ行ってたのよ?って、
問い詰めるように、
にらみ殺すように眼をみてたずねた。
それから、私を抱きしめて、
ペロペロあたしの鼻を舐め始めた。
ば、バカッ!
こそばゆいんだよ?
やめ、やめなさい!
顔をフリフリして「ペロペロキッス」を
すり抜けたけど、
不快なばかりではなくなっている。
そして、ついに、
なんか、そのとき、
奇跡がおきたよ。
2人の愛情の深さに恐れいった神様が
1つだけ望みを叶えてやろう
というサービスでもしてくれたのかな
私の言葉が、いちどだけ、
私の女主人さんのいかれた頭に届いたらしい。
当然、私の望みはただ1つ。
《名前を変えてよね》
さすが神様のみわざ、伝わったようだ。
え?吾輩ていう名前が気にいってなかったの?
でもいつも夜呼ぶと、
しっぽフリフリ喜んでやってきたじゃない?
にゃにゃにゃにゃ、にゃーにゃーにゃにゃにゃ!
ばか、それは食事だろ!
無論もう私のことばは届かない。
それで2人の関係もより良くなり、
私の唯一の不満だった名前も良くなり、
言うことなしかなぁ、と思ってたんだけど、
この女の頑固さときたら筋金入りで、
(そりゃ、ふられるぜ、)
(とか納得させられたけど)
なぜか、それからも、私の名前を
変えようとしなくて
(神様のお気持ちに、さからって?)
(のこだわり?)
ただ、呼び名だけは変えてくれた。
我輩と呼ばれなくなったのはいいんだけど、
《ダーリン、》たまには、
《マイダーリン》
なんて呼ばれるようになった。
なーんだそりゃ?
よけーにおかしーんじゃ、ない?




