どれにしよう?
私は淡い希望を込めてお姉さんに名前を間違えたことを伝える。
「あらあら、名前を言い間違えちゃったのね。ちょっと待っててね、確か名前変更券がどっかにあったはずだから。」
そう言ったお姉さんはカウンターの後ろの棚を引き用紙を探す。どうやら、名前を変更することが出来そうだ。そう、私はほっと胸をなでおろす。
「お嬢ちゃん、ごめんなさいねぇ。どうやら、名前変更券切らしちゃったみたいなの。恐らく近いうちに新しく補充されるからその時に来てちょうだい。」
私の名前は券で変更可能なようである。しかしその券が切れるというのはどういう状況なのでしょうか。この世界の今のブームは名前を変えることなのでしょうか?
そんな衝撃の展開を目の当たりにした私にお姉さんから藁半紙のような紙にびっしりと記された何らかの用紙を渡される。用紙を手に取って読んでみると、どうやら職業の説明が記されているようだ。私は職業記入欄とともに四つの職業の説明に目を通す。
「さて、次にお嬢ちゃん職業はどれかしら。」
『 冒険者 』
世界を冒険する者。身一つ武器一つで世界を冒険する。一つの武器を極めることができる。極めた武器から繰り出される技はどんな敵も地へ倒れ伏すだろう。一つの武器を極めるため、様々な武器を取り扱うことは出来ない。
『 探索者 』
世界を探索する者。様々な武器を使い遺跡やダンジョンを探索する。様々な武器を使うことができる。敵に合わせて武器を持ち替え、弱点を狙っていくためどんな相手でも立ち回ることが出来るだろう。様々な武器を用いるため、それら一つ一つのダメージは小さいものとなる。
『 職人 』
武器や防具を造り出す者。冒険者、探索者から得た素材から彼らの相棒となるだろう武器、防具を造り出すことが出来る。技術力次第で、どんな素材からも一級品を造り出すだろう。一級品ができた暁には富と名声が得られることは想像に難くない。
『 加工職人 』
武器や防具に更なる力を授ける者。冒険者や探索者、職人から得た武器や防具を更なる力を授けることが出来る。彼らの能力次第で、どんな品質の物でも強大な力を授けるだろう。強大な力を授けた暁には、誉れ高き栄誉が得られることは想像に難くない。
貴方は上記の職業を選択した場合。特例を除き半永久的に選択した職業に就くことになります。
よく考え記入することをお勧めします。
職業記入欄 _______
名 _______