F-4.種子は手のひらの中に
夜だ。召喚されてから4回目だ。
まだ四日しか経っていない。
勇者達もまだまだひよっこだろう。
さて、フェルトミア王国の城門だが地震でだいぶ崩壊していた。
そういや前日には第一王女の失踪事件や国宝消失事件もあったよなあ。
いやいや、世の中不幸ってのは重なるもんだね。
魔力感知にて人のいない場所を跳躍し、内部へ侵入。
さて、火事場泥棒が何か面白い者でも拾ってないかねえ。
とは言え、お城で粗方いいものは入手してるしなあ。
魔力感知も巡らしつつ思案する。
ハジメも梟になって監視中。
今晩はいい獲物は見当たらなかった。残念残念。
冒険者ギルドの朝は早い。
そして忙しい。
よってボク、黒兎獣人はお昼になってから向かっている。
ギルドに入ってみる。
あら?思ったより慌ただしい。地震のせいかな。
まっすぐ正面の受付のお姉さんに向かう。
どうでもいいけど受付のお姉さんは巨乳必須なのかな。
「はじめまして、ギルド登録をお願いします」
「はい、こちらへの記載と1銅貨お願いします」
1銅貨は100円くらいかな。屋台なんかは2~3銅貨で食べられる。
お金はもちろんお城からだ。
名前はミコト、兎獣人、出身は無記載。
鑑定はされるだろうから偽名は出来ない。ボクなら無理すれば出来るけど。
「はい、記載ありがとうございます」
そして1銅貨と黄色の珠をその手に渡す。
「これは?」
「これから頻繁にお世話になると思うので綺麗なお姉さんにプレゼントですよー」
嘘は言ってない。
「あら、お世辞なら何もでませんよ?でもありがとう。
ギルドについての説明は必要かしら」
「いえ、先輩から聞いているので大丈夫です」
「わかりました。あなたはFからスタートです。頑張って下さいね」
「はいーこちらこそよろしくお願いしますね」
約束は果たした。
あとはイエローナイフが勝手にやるだろう。
今のボク達の目的は大きく分けると二つだ。
1.魔力を含んだこの世界にしかない素材の収集。
これはほとんど達成した。城内の宝物庫、クローゼットで概ね達成。
精霊銀、魔力金、魔力鋼に竜鱗。
アラクネの糸の服や血結晶の器に万能薬など一通り入手できた。
2.この世界にしかない魂の収集。
体の一部のみだと遺伝子しか収集出来ないから可能なら生きたままか死後直後の素体回収。
今のところ地下牢で死んでいた獣人達から遺伝子、クミの魂。
城内で回収したビッグス(仮)ウェッジ(仮)メイドに王女くらいかな。
獣人をもう少し色々、あと魔法使い、これは魔族でもいいか、うん。
あとグリフォンとか幻獣は集めたいね。
となると、目標は…わかるよね?