表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/38

F-2.王城夜襲

その獣人は、名前を捨てたといった。

取り込みをしたため本名は分かってはいるんだが使ったらまずいことは自分にも想像出来た。

名前は、旧友の名前からクミの名を付けてあげた。




街の外でクミから得た情報を整理しながらハジメの帰還を待つ。

ああそうそう、召喚特典として”言語理解””魔力感知””アイテムボックス””鑑定”が

付与されていた。

そういえば獣人のクミと初接触にも関わらず会話出来ていた。

言語理解とアイテムボックスについては取り込みのほうがはるかに優秀だけど

魔力感知は便利かもしれないね。

鑑定はこの世界の辞書にアクセスする機能みたいでこの世界についてしか鑑定できなかった。

アイテムボックスもこの世界限定だと推測される。

魔力とはこの世界全体を満たしているエネルギーを指すみたいだ。

ボクには世界という大きな水槽を常時水で満たしているような無駄遣いに見えてしまう。

それだけ余っているならどんどん奪っちゃおうかなー。

エネルギーは甘くて美味しいものです。

世界情勢についてはハジメが帰ってからにしよう。




ハジメが戻ってくる間にクミのボディの確認をする。

ボクの元のボディに比べて圧倒的に身体能力が高い。

ボクが研究職だったのを差し引いてもこの世界の人の身体能力は高い気がする。

兎獣人だからか脚力も相当なものだし視覚・聴覚も優れている。

戦闘しないなら猫系や犬系よりも優秀だろう。

兎獣人だから、というよりもきっちり鍛錬のなされたクミだからかな?

それにボク達の種族補正を上乗せさせれば異世界でもやっていけそうだ。

クミは白髪白毛だけどボクは日本人だし隠密向けに黒髪黒毛にアレンジ。

胸も運動に支障のないほどほどのサイズで本当に優秀な娘だ。

強いて問題をあげるとしたら、全裸ってことかな…。

ちゃんと胸には体毛があるし、股間もC-Stringみたいに体毛でガードされている。

牢獄のクミちゃん、全裸だったんだなあ…。

急いで服を入手しないとな。全裸でも行動しやすいのは緊急時に助かるけど。




(ただいま戻りました、ミコト)


(おかえり、ハジメ。当たりはつけたかい?)


(ええ、第一王妃と宝物庫は確認しました)


(すまないが、ボクと新しい兎獣人用の服も入手したい。頼むよ)


(それも調査済みです。魔法の服もありましたので調べてあります)


(流石ハジメ。でかした)


さて、夜まで待とうか。




召喚されてから2回目の夜である。

どういう理屈か知らないが月は赤いのが二つ。

酸化鉄が多いのかな?

そうなると酸素もけっこう必要だな…いやいや話が逸れた。


城の外壁の高さは4~5階、20mほどか。

それをやすやすと跳んでしまうクミのボディ、優秀だねえ。

まあカラスで飛べばいいとハジメなら言っちゃうだろうけど。

魔法はまだ覚えていないので体を出来る限り透明化し、魔力を常時吸収することで隠蔽。

魔力吸収は普段もしているから苦労もない。何より美味しいからね。

この世界の住人はいずれも魔力を持っているようで魔力検知だけで配置が筒抜けなんだけど

どうやって警備しているんだろう。もしかしてトラップかな?

クミの知識だとそこまで正確に検知出来るのは優秀な魔法使いくらいらしい。

警戒だけはしておくことにしよう。


第一王女の寝室は3Fの奥。メイドが1、護衛が2。

護衛にはビッグスとウェッジの名前を差し上げよう。

まずは先制の青酸ガス水玉だ。


「な、なんだ?」


「周囲警戒!」


もちろん魔法ではないので詠唱などない。

それに非殺傷したいわけでもないのでね。

流石によく効くわー。

ビッグス(仮)とウェッジ(仮)の死体を回収しつつドアを蹴り開け、メイドの心臓を一突きする。

布団の上を確認、まだ寝ているな。

念のため布団をゆっくり剥がし、第一王女の顔を確認した。ばっちりだ。




(ハジメ、この王女国家転覆計画してたよwかなり杜撰だけどね。ちょっと勿体なかったかな)


(そうですね。ですが行方不明でも面白くなるでしょう?

 今頃第二王女は勇者を傀儡にしようと勇者トモヒコにアタックかけているところでしょう)


見た感じキミヒコ-ヨーコペアとカツシ-コーコペアになっていたから

三角関係になって楽しいことになっていそうだね。

ここで第一王女が死んだら次の女王様か。

ちなみに第一~第三王子は戦争で死亡している。第四王子はまだ3歳、第三王女は5歳。


(さて、ユリ、出番だよ。メイドになってくれ)


(え~めんどい~)


(いつも寝てるんだから必要な時くらい仕事しなさい)


(は~い)


クミにメイドをさせるのは流石に厳しいだろう。

ボクは第一王女セラフィーヌ・エルヴォン・フェルトミアとなる。

フェルトミアとはこの世界の名前であり、唯一の大陸の名前であり、

過去に大陸を統一していた国の名前だ。

我が国は正当な統一後継国である、と自称している。

自称するだけならタダだ。


王女とメイドになったしさっさと宝物庫と服を回収して外に出よう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ