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俺様、神様、創成主!?~いいえ、人間です~  作者: 慧斗
第3章 そして神様を中心に、世界は変わり始める
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第45話 懐かしい、緑だけが広がる世界

「久しぶりだな……」


 くぅとナオがゆっくり旋回して、丘に着地する。俺たち四人は、二匹から飛び降りた。


「変わってないなぁ……」


 感慨深く辺りを見回す。何も無い、何も見えない、緑だけが広がる世界。まあ、前にここに着てから二ヶ月ぐらいしか経ってないからな。そんなに変わってるわけないか。


「へぇ、町外れにこんなところがあったんですねぇ」


「懐かしいわねぇ……」


「え、え、見えない……」


 三人の感想を聞きながら、俺はある場所を探していた。


「えーっと……あ、ここだ」


「え?」


「うわっ、びっくりしたぁ……」


「何よ、失礼ね」


「いや、ちょっとな……」


「んー……。まぁ良いわ。それで?何を、探しているのかしら?」


「あー、えっとなぁ……」


「何よ、言えないことなの?」


「いやいやいや。たださぁ、俺がこの世界に来た場所を探してたんだよ」


「来た場所って……。この丘でしょ?」


「まあそうなんだけど。そうじゃなくて、俺、ここら辺に落下したんだよ」


「……?創世主様は、天から落ちてきた設定だったの?」


「設定じゃねぇし!そうじゃなくてだなぁ、俺がこの世界に来た時に……」


「その話、詳しく聞かせて……!」


 突然。俺たちの間に、ガムの塊がにゅっと出て来た。。


「きゃああああああああああああああ!!!!」


「あ、リオラか……。びっくりしたー……」


 いきなり出たガムの塊に、思わず数歩後ずさるエル。まあ、そりゃびっくりするよなー。


「つーか、それで立てたんだ」


「立てない……。でも、研究者としての探究心が不可能を可能にした……」


「名言っぽく言うなよ!」


「それに、このガムは伸び縮みしやすいガムだから……」


「あー、そういやそれ、手作りなんだったな」


 何だっけ?モンスターの、繊維かなんかが入ってんだろ?


「それで、詳しく聞かせてってなんのことだ?」


「さっき、話してた……。高良が、この世界に来た時の話……」


「あー、それか?それがなぁ、この丘にいきなり落ちてきて、モンスターに襲われるわエルにも襲われるわで……」


 エルに襲われたのも今なら笑える思い出だけど、二ヶ月前は本当に生命の危機を感じたからなぁ……。


「それじゃない……。それも興味深いけど、何でエルが高良を襲ったのか詳しく聞きたいけど、それは男女間でも行為としての『襲う』なのか非常に聞きたいけど、そうじゃなくて……」


「いや、違うからな!」


 興味津々じゃねぇか。


「襲うってのはそういう意味じゃなくてだな……」


「そ、そそそそそうよ!わ、私はだだ断じて高良を襲ってにゃんか……」


「お前は動揺しすぎだ!」


 そんな態度じゃまるで、本当にそんなことをしたみたいじゃねぇか。


「襲うってのはなぁ、エルが俺をモンスターと間違えて撃ってきたことだよ!」


「ふーん……。そういう『襲う』じゃないのは残念だけど、エルが高良をモンスターに間違えたっていうのもある意味興味深い……。メモメモ。エルの目は節穴なの……?」


「メモるな!っつーか、そのガムの中でどうやってメモるんだよ!あと、お前そんなゴシップ好きだったか!?今の状態はな、小説の『起承転結』に例えたらもう『結』に差し掛かってんだよ!今更キャラ路線変更したって遅いんだよ!」


「むぅ。メモするのは、研究者の性……。研究者は、メモってなんぼ……」


「だから、創世主である俺の許可なしに勝手にキャラ路線変更すんなっつーの!」


 もう、大人しくしとけよ。今、感傷に浸ってるんだからさ。


「とにかく……。リオラは、高良がどうやってこの世界に来たのか、を知りたい……」


「は?そんなの、知ってどうすんだよ」


「あ、でも、私も聞きたいです!高良さんが、どうやってこの世界に来たのか!」


「しょうがねぇな……」


「差別だ……。リオラが聞いても答えてくれなかったくせに……」


 だって、お前に聞かれただけなら面倒くさいし断るけど、恩があるアリシアにまで聞かれたら答えるしかねぇだろ。


「えーっとなぁ……」


 そして、俺は話し始めた。

 俺がこの世界に来て、エルと出会った経緯を。



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