第21話 チビドラゴンは嘘がお上手
「創世主様、お帰りなさいませ」
門前の警備をする兵隊に出迎えられて、俺は王宮の中に入った。
「お帰りなさいませ」
たくさんのメイドや召使いが、一斉にお辞儀する。くぅとナオは珍しそうにきょろきょろしていて、見慣れた日常のはずが何だか新鮮だった。
「お帰りなさいませ、創世主様」
「おう、ただいま」
「ところで、そちらのお子様は?」
「ああ、くぅとナオだ。今日から、俺と一緒に住む」
「し、失礼ですがそちらのお子様は、どういったご身分で?」
「身分?」
ああそうか、そういうのを気にするのか。どうしよう、まずこいつら人間じゃなくてモンスターなんだから、身分なんて無いし。
「えーっとだな……」
「僕たちは、ドラゴンが住む森の狩人たちの長の子供です。ドラゴン退治に協力を誓うため、人質として預かられてきました。長である父は、創世主様の所で修行を積んでくるように、との仰せです」
「えっ?ナオ、ボクたちは長なんかの子供じゃむぐぐぐぐぐ」
ナオの嘘か。あんなにすらすらと口からでまかせが言えるなんて、恐ろしい奴。
「なんと、そうでしたか。では、どうぞお入りください。あ、あと創世主様?後ほど、折り入ってご相談が」
「ん、分かった。ほらくぅ、ナオ。行くぞ」
王宮の中は迷路みたいに入り組んでるからな。しっかりと案内しないと。
にしても、話ってなんだろ?




