第13話 もらった餌は、怖いものでした
「それで、相談って名前について……じゃ、ないよね……?なに……?」
「あ、相談ってのはさ、こいつらの餌についてなんだよ!モンスターの飼い方なんか知らねぇんだけど、エルがここに来たらいいって言うからここに……」
「そう……。モンスターの餌ね……。ちょっと待ってて……」
白衣の少女はそう言うなり、後ろの棚をごそごそし始めた。
ぽいっ、ぽいっ
「ちょ、中の物は投げないほうが……うわわ、ビーカーが割れたぁ!ってまた!フラスコも飛んでくる!ガラスの破片、いってぇ!」
ガラスの実験器具が飛んできては次々と割れる。あの頑丈そうなチビ……じゃなかった。ナオも、顕微鏡の下敷きになって目を回していた。顕微鏡、恐るべし……。
つーか、あの小さい体のどこにそんな怪力が眠ってるんだ……?エルも怪力だし、この世界の人間ってみんな怪力だったりして。
「あった……」
白衣の少女が袋を持って走ってくる。
「これ……」
「なんだよ……。ん、〈モンスター専用の餌 ※人間が食べたら、死んじゃうよ〉…
…?なに、これ……」
「見ての通り、モンスターの餌……」
いや、それは書いてあるから分かるんだけど。俺が言ってるのは、最後の一文のこと。
「ああ……。この餌は、モンスターが食べるととてもおいしいけど、人間が食べたら死に至る成分が入ってるの……。ちなみに、私の手作り……」
「へぇ……。じゃあ、もらっていい?」
「いいよ……。無くなったとき用に、三袋あげるね……」
「センキュー!」
三袋を抱えながら、俺はお礼を言った。