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俺様、神様、創成主!?~いいえ、人間です~  作者: 慧斗
第2章 神様は、仲間たちと出会った
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第12話 二匹のチビドラゴン、命名

 コンコン

 ガチャ


「誰かいますかー?」


 その部屋は、さっきいた所と比べると小さかった。でも、それでも学校の理科室ぐらいの広さだ。この研究所、どんだけ広いんだろ。

 机の上にはノートパソコンや実験道具が所狭しと並べられていて、さっきの部屋に負けず劣らずで研究所っぽい。まあ、実際研究所なんだから当たり前かも知れないけど。

 その部屋の隅っこにあるテーブルで。

 白衣を着た女の子が、寝ていた。


「研究所の人かな……?」


 でも、それにしては幼すぎる。いや、幼いっていう言い方は正しいのかな?

 見た目からして、中学生ぐらいだろう。小学生かもしれない。だから幼いって言い方はちょっと違うかもしれないけど、でも、研究所で研究者として働くには幼いような……。

 近くに寄って見てみる。うわ、まつげ長っ!肌白っ!髪、長っ!まあ、ぼさぼさだけど。寝てるだけなのに何かインドアな雰囲気が漂ってるような……。


「ん……」


「うわわっ、起きた!」


 僅かに開かれた目と目があって、俺は思わず後ずさりした。


「誰……?」


「ごごごごめんなさいっ!起こしちゃってごめんなさい!」


 身を起こした少女に平謝りする。……我ながら情けない。でも、あんなに気持ち良さそうに寝てたのに起こしちゃったのは、なんか罪悪感があるっつーか……。


「別にいい……。で、誰……?」


「たっ、高良といいます!」


 年下相手に思わず敬語。ますます情けない。


「高良?知らない名前……」


 不思議そうに首をかしげる。なんかぼんやりしてんのは、寝起きだからか、もともとか。


「ち、ちょちょちょちょっと相談したい事が、あって」


 待て。落ち着け俺。このままじゃ何言ってんのか分からない。深呼吸してー、吸ってー、吐いてー。よし、ちょっと落ち着いた。


「それで?相談って、なに……?」


「あ、ああ。こいつらについてなんだけど」


 頭と肩に乗っかってる二匹を指差す。


「モンスター……!」


 その子の目が輝いた。何これかわいい。

 なんだ?モンスター、好きなのかな?


「かわいい……。名前、なんて言うの……?」


「名前……。そういや、まだ決めてねぇな」


 チビとか呼んでるけど、それは名前じゃないと思う。そんな名前、こいつらも嬉しくないだろうし。


「じゃあ、今決めよう……!」


「おう。いいぜ、別に」


「くぅ、くぅ!」


「ナオ!」


 チビたちが、喜んでるような声を出す。


「じゃあね……。んーと……えーと……………………………………なにがいい……?」


 結局人任せかよ!


「そうだな……。〈くぅ〉と〈ナオ〉、とか?」


「それ、鳴き声そのまんま……。手抜き……」


「思いつかなかった奴に言われたくはねぇよ!そうだけど!」


 だって、それ以外に思いつかねぇもん。


「そだね……。この子たちは、なにがいいかな……?」


「くぅ!」


「ナオ!」


「〈くぅ〉と〈ナオ〉がいいってさ」


「ほんと……?自分の意見がいいからって、嘘、ついてない……?」


「つくかよ!」


 そこまで執着する名前じゃねぇし!


「そっか……。じゃあ、〈くぅ〉と〈ナオ〉で、決定……」


「くぅ!」


「ナオ!」


「え、ガチでそれでいくの!?」


「あなたが言ったんでしょ……?」


「いや、そうだけどさ……」


 本当に採用されるとは思ってなかったんだよ。

 というわけで、二匹の名前は〈くぅ〉と〈ナオ〉になった。

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