独立
「では皆さん……、始めましょうか」
クラスの人々は一気に真剣な顔つきになり、伊勢のほうを向いた。
「じゃあ……、百合さんのところから試験しましょう」
なんと試験は教諭がランダムに当ててするものらしい。見事トップバッターの百合チームはえぇっっと声を上げていた。
試験は、伊勢が魔法で造ったシルエットボックスで行うので、テストの中身は全く分からなかった。
そうして着々と試験を始めた伊勢。百合チームは見事伊勢のオリマズを唸らせ、合格、仮士を手に入れられる事になった。
次々と試験をし、10チーム中4チーム落ちてしまった。そして遂に……
「じゃあ、次は……華凜チーム、試験します」
ついに来たか……。三人は深く深呼吸をし、シルエットボックスに入り、まだまだ余裕そうな伊勢の前に立った。
「「お願いします!」」
響は剣を鞘からするりと抜き、伊勢に剣先をむけ、構えた。
真弓は弓を構え、呪文を唱え始めた。
華凜は鳥達に餌を与え、鳥操の準備を整えた。
伊勢は首をポキポキと鳴らして、手で三角形をつくって前に出した。
「じゃあ、始めましょう。 よーい……始めッ!!」
その瞬間、伊勢がつくった三角形にどこからか光が集まってきた。
「何? あれ?」
「華凜!! いいから前見て攻撃しろ!!」
響からの言葉を受け、華凜は火の呪文を唱えようとしたその時、
「華凜!! ダメ!! 守りを固めて!!」
真弓が焦った顔で言ってきた。
「え!? う、うん、わかった!」
華凜は大きく腕を振り円を描き、強く念じた。透明なシールドができた。響と真弓のいる位置にも広がっている。
その瞬間、伊勢のつくった三角形から眩いばかりの光を発する薄い黄色の光線が発射された。高い威力を持っている事が目に見えてわかる。それに、魔力をたくさん必要とする事もわかる。この技はいったい……?
そんな事を思っていると、シールドを通して体に強い衝撃を受けた。この光線がシールドに当たったのだ。
とても強く押され、力を抜いたら今にもシールドが破壊されそうだ。こんな威力のある光線、直で受けたら体が木端微塵になってしまうだろう。華凜の背筋に冷たい汗が落ちる。
「……っ、くっ……うっ………!」
一生懸命シールドを保っていると、いきなりフッ、と軽くなった。
響が隣でシールドを貼ってくれたのだ。
「華凜、俺が変わるから、お前は鳥操で伊勢の油断を誘え……!」
「わかった!!」
華凜は指笛をし、鳥達を集めた。そして……、
「風斬り!!」
こう叫んだ瞬間、華凜にとまっていた鳥達は一斉に飛び、伊勢に向かって超高速で飛んでいった。そして、その速さのまま伊勢の周りをぐるぐるとまわり、風の刃をつくった。
その間に華凜は風の呪文を唱え、鳥達が戻ってくるのを待った。一分位で鳥達は戻ってきて、華凜の肩や頭に止まり、休息をとっていた。伊勢のまわりには風の刃が浮いている。
「竜巻……小!!」
すると伊勢の周りに小さい竜巻がビョウビョウと渦巻き、風の刃と伊勢を巻き込んでぐるぐると回りはじめた。伊勢は竜巻から出ようとしていたが、伊勢の周りに透明で丸いシールドがあるため、中から攻撃したり出る事は封じられていた。
その間にも真弓は竜巻の中に火矢を飛ばしたり、響はお手製の手裏剣を投げたりと、攻撃は怠らなかった。
そのあと、3人の魔力を掻き集め、巨大な爆弾をつくり、竜巻とシールドが消えるとともに、思いっきり爆発させた。
「さあ……どうだ……?」
爆発の煙の中から浮かび上がってきたのは……
伊勢がよろよろと歩く姿だった。
そして三人の顔をゆっくり見て静かに微笑み、こう言った。
「華凜・真弓・響ペア、合格です」
華凜は真弓と響の顔を見渡し、感動の笑みをつくった。
「やったぁぁーーーー!!!!」
みなさん!!お待たせしました!ごめんなさい!
もう謝る事しかできないですよ、ハイ。こんな作品でも読んでやってください笑
さてさて!ついに華凜達が学校卒業となります、次回は、遂にアケド軍が学校に攻めてくる、というようなお話にしようかな、と思っています!
楽しみに(気長に)待ってくれると嬉しすぎます!!
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます!