表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
八士戦闘記  作者: 瑞沙
悪化する日々~第2章~
8/14

悪化、そして仮士試験

 「おはよっ!」

 いつもの三人での登校。

 「「おはよ!」」

 千春と響はいつも通り笑顔で挨拶を返してくれる。

 学校までの道を三人で話しに華を咲かせる。今日はまたしてもこれからある実技テストの話しで盛り上がる。

 いつもの角を曲がると……三人は思わず目を疑い、互いに顔を見合わせた。

 「なに、これ……」

 そこには、いつも見ていた綺麗に並んだ家や建物の面影は無く、ボロボロに焼き尽くされ、荒れ果てている光景が広がっていた。

 今まで住んでいた住民の人影は無く、辺り一面には驚愕している野次馬達がいた。

 「ひどいな……」

 「まさか、アケド軍がここまで武力を伸ばしてきたの!?」

 三人は拳を握りながらも時間を気にし学校へ向かった。

――――――その頃、職員室では――

 「通学区まで攻撃が及んでます!!」

 「この学校に攻撃が来るのも時間の問題か……」

 「とにかく今年度の募集は止めて、今の卒業対象生に早く仮士の試験を!!」

 職員室は今まで以上、過去最高に慌ただしかった。

 「そうだな……」

 「確か、今日実技テストがあったわよね?」

 「よし」

 校長はゆっくり頷き、こう決断した。

 「今日の実技テストを、対象年齢を16歳に引き下げ、仮士の試験に変更する!!」

――――――

 半ばいつも通りに席につき、伊勢が教室に小走りで入ってきた。

 「起立、礼」

 真弓が号令をし、皆で挨拶をし、席に着く。伊勢は一つ咳払いをし、おもむろに深呼吸をした。

 「いきなりですが……、今日の実技テストは仮士試験に急遽きゅうきょ変更になりました」

 教室でざわめきが起こった。廊下にも響いてるという事は他の四クラスでもざわめきが起こっているという事だろう。

 「皆さんも知っての通り、隣国アケードタンとここ、ポロニ国は現在戦争をしています。第一通学路を歩いてきた人は見たでしょう、住宅地が焼き尽くされているところを」

 華凜や響、あの通学路を通ってきた人は顔を上げた。

 「学校側として、あなたたちの安全を考え、仮士試験を実施します」

 伊勢の強い口調で、生徒達はしょうがない、とざわめきを止め、伊勢をまっすぐと見た。

 「皆さん……、ありがとう。次の時間で試験の説明をします。それまでにこのクラス内で三人グループを作っておいて下さい」

 伊勢が言い終えた直後にちょうどチャイムが鳴り、伊勢は一礼して教室から出ていった。


 クラスの人達は再びざわめき出し、三人グループを作り始めた。

 「響!真弓!組もう!」

 響はたくさんの男子に声をかけられていたが、断り、華凜のところへやってきた。

 「いいぜ、組もう!」

 「いいわよ、華凜」

 二人とも快く受け入れてくれ、無事にグループを組めた。

 「試験の内容ってなんだろう?分かる?二人とも……」

 「うーん、わっかんないな~」

 「何かしらね……、誰かを倒すのかも?」

 「倒すってだれをだよ……」

 「アケドの人かしら?生明とか……!」

 「生明なら殺してもいいね……、フフ」 

 「こら、華凜」

 キーンコーンカーンコーン……

 伊勢は大きい段ボール箱を重そうに抱えながら教室に入ってきた。教壇に置いた瞬間、ドンッ!という大きい音がした。

 「ハァ、では、試験の説明を、始めます、ハァ……」

 そう言いながら、段ボール箱を開け、ダークブルーのベルトにシアンのボタンが六つ、黒い液晶もついている腕時計を取り出した。

 「これは瞬時体力測定機搭載腕時計、オリマズです。戦い続けるといずれ体力は尽きます。完全に尽きれば歩く事もままならず、ただ死を待つのみです。その前にこのオリマズは警告してくれます。本当に危なくなったら動きを封じてくれる事もあります。戦いの時、その警告音が鳴ったら、その人は敗北という事になります。これは『士』ならだれでも持っているもので、必ずつけなければいけないものです。」

 『士』がつけるもの……これを聞いて華凜は思わず唾を飲んだ。あれを常備する時は、私も『士』……。

 「では、仮士取得試験の説明をします。内容は……、私、担任を倒す事です。」

 伊勢を、倒す……。クラスの人々は皆伊勢がどれだけすごいかを知っている。またざわめきが起こる。

 「今からこのオリマズを一人一つ配ります。装着したら先程作った三人グループで校庭に集合して下さい。」 

 そう言って伊勢はオリマズを配り、一礼し、教室から出ていった。

 配られたオリマズは新品で触るのももったいないくらい綺麗だった。まだ腕にはフィットしなかったが、華凜はすっかり上気分になった。

 そうして華凜はオリマズをうっとり眺めていると、後ろから頭をポンと叩かれた。

 「ほら、華凜、行くぞ」

 「なにオリマズ眺めてんのよ、伊勢教諭に勝てばそんなのいつまでも眺められるでしょ?」

 華凜は顔を上げ、二人を見た。響も真弓もやる気満々な顔をしていた。

 「うん!行こう!!」


 校庭に着いたのは華凜達が最後だったらしく、クラスの人々の緊張した横顔が見れた。皆不安の色を顔に浮かべて、魔法や剣術の練習をしていた。

 中には緊張で体が震えている者もあり、中には笑い狂っている者もいた。

 「やっぱ緊張するね……、響、真弓」

 「いや?俺は緊張なんかしないぜ……なんてな……」

 「頑張ろうね……!」

 そして、我がクラスの担任……いや、我がクラスの敵、伊勢がやってきた。伊勢のオリマズは金色で、太陽の光を受けて、眩しく輝いていた。


 「では皆さん……、始めましょうか」

 


 

最後まで読んで下さり、ありがとうございます!

一日で執筆したものなので、超雑で、誤字・脱字があるかもしれません!見つけたらご指摘願います(^^

次話も見て下さいね!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ