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八士戦闘記  作者: 瑞沙
平和な日々~第1章~
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八士とは

「ふぁーあ……。」

 ここは八士養成学校やっしようせいがっこう。ここの一生徒、華凜かりんは退屈な授業を抜け出して桃の花咲き乱れる校内庭園で鳥達とたわむれている最中、大欠伸をした。

「なんで魔法なんか学ばなきゃいけないんだよ……。」

 青い空を見上げそんな事を呟やき、たわむれていた鳥達を見送った瞬間、頭上から怒号が降ってきた。

「こぉるああああああああ!!!」

 2階の窓から落ちそうになるくらい身を乗り出しこちらを見て怒っている人がいる。担任で魔法学科の伊勢いせ教諭だ。若い女の教諭で背が高く、発光するように輝く青いメッシュが入ったベリーショートの金髪が特徴。生徒からはいせっちと呼ばれている。

「魔法が嫌いなのはわかるけどお、授業を抜け出すのは駄目ってえ、何回言えばわかるのおお!?」

 伊勢は他の授業の邪魔になるくらいの大きな声をはりあげている。華凜はわざと聞こえてないかのように振舞っていた。

「もぅ、しょうがないわねっっ!!」

 伊勢は鋭い目つきに変わり、自身の右手にソフトボールの大きさくらいの縹色はなだいろの玉を形成したかと思ったら瞬時にそれは2mくらいの縹色の網に変わり、伊勢は空中でそれをなめらかな指使いで巧みに操り、華凜を滑るように包み込ませた。伊勢の魔力が強いせいか、華凜が暴れてもちぎれる事は無かった。伊勢がゆっくり腕を引くと網は吸い込まれるように2階の窓から華凜を伊勢の元に連れ込んだ。伊勢が軽く指を鳴らすと、網は消え、同時に華凜は廊下に腰を下ろした状態になった。今の華凜がこんな魔法をしたら一日寝込むくらい体力を消耗するのに、伊勢は息切れ一つせず言葉を発した。

「まったくもう…。授業は抜け出しちゃいけないってなんども……って、華凜?」

 華凜は伊勢の華麗な魔法に目を奪われていて、伊勢の細くしなやかな手を凝視していた。

「いせっちの魔法……、ホントに凄いね。」

「いきなり何言ってるのよ、もう。」

 伊勢は膝に手をつき、目線をあわせてはっきりと言った。

「華凜も必ずできるようになるわ、きっと私なんかより上手くね。」

 華凜は気づかなかったが無意識に目が輝いていたんだろう、伊勢は微笑み、ふいに華凜にデコピンした。

「だから授業は抜け出さない!ちゃんと受けるのよ?いいわね?華凜。」

 華凜は、いったぁ…とおでこを手で押さえながらも一呼吸おいて、

「はぁい。」

と一言だけ言った。


 この世界には『八士やっし』と呼ばれる存在がある。鳥操士ちょうそうし、戦術士、魔術士、剣術士、回復士、盾術士じゅんじゅつし、飛躍士、魔矢士ましし。この『八つ』の『士』を総称して『八士』と呼ばれている。

 八士は主に国の防衛、戦争などに活躍するが、単なる職業として目指す人が多い。

 この世界では一人一つ、当たり前のように『士』を持っている。八士は男女関係なく養成学校に入れば17歳で試験をし、合格して、その上で12か国すべてを5人パーティで旅をして各国のBOSSを倒したら初めて『士』が持てるのだ。


 一人が持てる『士』は五つまで。何故この法律ができたかは知らないが、この法律を破ったものは一生獄中生活になるという。

 それぞれの『士』はすべて違うものだ。


 鳥操士は字の如く鳥を操る人の事だ。空からも視野を取り入れ、敵の発見を迅速にするのが狙いだ。攻撃にも利用できる。ただし残念な事に鳥達と心を通わす事ができず断念する人が多いのが実情だ。

 戦術士は戦術を巧みに使い、魔法や物を使わず己の力で敵を倒す最も原始的な方法だ。一番修行が必要で一番命を落としやすい『士』だ。

 魔術士は火、水、風、土、闇、光、毒の七つがあり、その中から好きな魔法を一つずつ養成学校で学ぶ。一つずつ試験をし修得しなければいけないため、七つ修得しようとする人は非常に少なく、したとしても年老いていて使いものにならないだろう。

 剣術士はこちらも字の如く剣術を極めた人を指す。剣使いが優れている。しかし目の前で敵をバサバサぶった切るため心が非情な人でないとまともな剣術士にはなれないだろう。

 回復士はそのままの意味で、回復をする人の事だ。常に誰かに求められる『士』。回復士は攻撃は一切できないため、一人になったら確実に命を落とす。

 盾術士は他の人を防御する『士』。常に頑丈で重い装備をし、折り畳み式の分厚い鉄の盾を持っていなければいけないため、移動速度が非常に遅い。だから逆に命を狙われやすい。

 飛躍士は修行を積み重ねたら、軽く跳んだだけで2~3mは跳べてしまう特殊な『士』。身軽な服装をしていて、主に荷物を運んだり他の人を助けたりする。一般的に戦いには参加しない。

 魔矢士は矢術のスペシャリストであり、魔法も使える。唯一、一つの『士』で実質二つの『士』を持てる人達。ただし矢を構えている間に攻撃されたら命を落とす。


 このように八士はメリットもあればデメリットもある職業だ。

八士養成学校ではこの八士が二つ同時に修得できるコースがある。華凜は鳥操・魔矢コースだ。


 この世界には12か国ある。

 華凜が住んでいるこの国はポロニ国。大都市国であり世界有数の戦争能力を持つアケードタンと隣接し、かつ農業が有名で世界の食料自給率の8割を生産している田舎国、リーフントとも隣接している特殊な国。その事もあってか、ポロニ国は耕地もあり繁華街もあるバランスに優れた国だ。残念ながら戦争能力はアケードタンより劣っている。

 ポロニ国は北部と南部でわかれており、通称ポロ北、ポロ南。華凜が住んでいるのはポロ南。

 ポロ北はアケードタンと最も近い地域で、ポロニ国の方針など大事な事を決めたり、他国と友好関係を結ぶための商店街があったりする。

 ポロ南にはここ、八士養成学校の本校があり、人口はアケードタンの六番目くらいに多く知名度も高いところだ。

 逆を言えば八士養成学校以外に何もないが。

始めてのファンタジーであり、ずっと書いてみかったファンタジーです。

ほぼ衝動書きのためひどい文章ですが、読んでくれたら嬉しいです!!

次話もよろしくお願いします(^^*

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