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Desire  作者: 那泉織
19/22

第18話:急げ!

**



「柳!」


 柳は目の前に稜基がいるのに気付くと安堵しようとした。が、


「逃がすものか」


まとわりつく闇に足を止め背後を振り返った。


「倭…」


「驚いた。まさか壁を破壊してまで逃亡を図ろうとするとは…」


 倭の呆れ混じりな表情を柳は強く睨め付けた。


「うるさい、俺は絶対に儀式をやらせるわけにはいかないんだ」


「柳、ちょっと待ってね」


 稜基が杖を軽く振ると柳の枷はあっさりと外れて落ちた。


「さっきのままだと動きにくいよね」


「解錠の魔術か………」


 倭は舌打ちして槍を構えた。柳は稜基から剣を受け取ると鞘から抜き、倭に突進した。

 互いの刃を打ち合い、服を裂き、肌をかすめる。それが繰り返される中で稜基が静かに上級魔術を構成していった。


「柳っ!」


 稜基の声に応じ、柳は一度間合いをとった。すかさず稜基が杖を振り倭の周囲を電流が取り囲んだ。


「呑まれろっ!」


 電流が弾けるようにして倭を包んだ。


「ぐああああっ!」


 倭は叫びながらも魔術によって電流を振り払った。


「…時間もない。例の方法を使うとしよう」


 倭の言葉に柳はハッとした。倭は嗤うと二人の前から姿を消した。

 柳は舌打ちすると稜基の腕を取った。


「稜基、やばい」


「え?」


 何も知らない稜基は不思議そうに首をかしげた。


「倭の奴、俺が気絶してる間に俺の血液を採取してやがったんだ。…俺が儀式をしなくても俺の血さえあればナイクレーゼントを復活させられるんだよ!」


 説明を聞いた稜基は顔を蒼白にしていた。


「急ぐぞ!」


「う、うんっ!」


 二人の少年は走った。








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