表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Desire  作者: 那泉織
12/22

第11話:チャンスは三日後

****




 倭は痛む左腕を押さえながら苛立っていた。

 神の器を捕らえるのに成功したというのに奴には脱走され、見つけたと思えば流石というべきか相手は強い。

 おまけに神の器はともかくその連れにも怪我を負わされ――倭のストレスは最高潮であった。


 左腕は己が放った渾身の一撃を跳ね返されたものを受けた為、完全に回復するには治癒魔法をかけたとしてもしばらくはかかるだろうと分かっている。


「あー! くそっ!」


 倭は苛つきながら己の好物のチョコレートの幾つかを一気に口へ放り込んだ。


「倭様、あまり食べ過ぎるとまた血圧が上がりますよ?」


「うるさいっ! そもそも私のストレスが溜まっているのはお前達の責任だろうが! そう思うんなら神の器を逃がしたことを反省してお前達が捕らえて来い!」


 倭に睨まれた彼の部下は彼の怒号に耳を塞いだ。

 倭は激しい呼吸を繰り返し冷静さを取り戻すと冷たい視線を部下に送る。


「いいか、自分で引き起こした失敗の始末はちゃんとつけろ。何人で行ってもいい、力尽くでもいいから全力で神の器の捕獲にあたれ! 抵抗するようなら殺さない程度に怪我させても構わんっ! 神の器以外の連れは殺してもいいっ! 分かったらさっさと行ってこーいっ!」


「は、はいっ!」


 部下は大慌てで部屋を飛び出して行った。倭は深い溜息を吐いた。


「全く………チャンスは三日後しかないということ、ちゃんと分かっているんだろうな…?」


 そう、チャンスは三日後。


 その日でなければ世界に闇は訪れない。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ