竜災報告書と新たな師
ここで取り敢えず一段落です。
ストックも切れたので、次回以降はゆっくり更新します
~4日目、夜、辺境都市ミルゼ跡地~
竜災報告書
辺境都市ミルゼに突如現れた”竜”。
この”竜”により、市民1万人が死亡。竜災法により、生存者には金貨200枚が下賜される。
生存者1、ミルゼ互助会会長「ミルド・ドノヴァン男爵」
竜襲撃時の初撃で地下倉庫に吹き飛ばされ、意識を失うも、偶然棚の”水薬”が倒れ込み、一命を取り留める。卿には金貨200枚と昇爵。以後子爵となる。金貨200枚を辺境都市ミルゼへ全て寄付し、領主となる。
生存者2、ミルゼ互助会”賤鉄”級冒険者「ミケル」
■■■の昇級試練へと共に向かっていたが、帰還時に”竜”に遭遇。■■■を助けるために矢を射るが、それが外れ、一命を取り留める。なお、その際に右腕を喪失。高温で焼き切られた為に出血せず。それは致命傷に至らなかったと診断されている。”竜”への攻撃も仲間を救うためだったとのことで、情状酌量の余地あり。
金貨200枚のを下賜される。この事件で氏も爵位を授かり、男爵となる。名を「ミケル・ミケーナ」となり、バンダイン王国の貴族の末席となる。
生存者3、ミルゼ互助会”■■”級冒険者「■■■」
王国法第二十五条、三項に抵触。
この記録は以後存在しない物として扱う。
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互助会の受付嬢”リゼ”は優秀な”銀級”探索者だった。現役の時は”疾風の”と言う二つ名を持ち、魔術と弓術を巧みに扱う戦闘巧者だったと言われている。
そのリゼには師匠が居る。”西の魔女”と呼ばれる魔術師。彼女の名は誰も知らない。ただ、”西の魔女”とだけ呼ばれている。当代随一の魔術の使い手の彼女の弟子であるリゼもまた、魔術に長けていたとしてもおかしくはない。
そのリゼが、竜襲撃時に”ただ立ち竦んだ”だけのはずがないのだ。
メールバードと言う魔法がある。
その魔法は遠く離れた相手に手紙のようにメッセージを送る事が出来るのだ。
そのメールバードをリゼは襲撃と同時に送っていた。
相手は、”西の魔女”。
文面は「緊急事態発生。助け求む」これだけである。
偏屈で頑固だと言われている”西の魔女”でも愛弟子の非常事態に動かない程人間が腐っては居ない。
急ぎミルゼに向かったが、到着時にはもう既に街並みは廃墟と化していた。
愛弟子の死に憤り、立ち去ろうとしたその時、彼女は信じられないものを見た。
あの”竜”に!しかも”黒竜ヘイシン”に立ち向かい、認められた少年が居るではないか。
驚愕である。”黒竜ヘイシン”と言えば、バーンの小僧の好敵手ではないか。
おもしろい素材を見付けた。面白い逸材を見付けた。しかし、少年の命の灯火は消えかかっている。
あぁ、この輝きを失うのはもったいない。人類にとっての損失に他ならない。
「坊主、死に抗い、立ち向かう勇気はあるか?」
そんな問いかけをしても仕方ないではないか。
コクリと頷いた死にかけの少年は、我が魔塔にて保護しよう。バンダイン等に任せてなるものか。
この小僧は私が育てよう。
さぁ、面白くなってきた。
拙作にお付き合い頂きありがとうございます。
題名の通りになるのはもう少し先になりますが、お付き合い頂ければと思います!




