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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

乙女の甘酸っぱい初体験記

作者: ぶーたん

私花澤茜は今日初体験をした・・・。


私は花澤茜。17歳。私立高校に通う2年生です。

私には心の底から愛している、付き合って1年の彼氏がいます。

まだギコチナイ2人友達以上恋人未満の距離かな。

名前は星空ヒカル君。同じ高校に通う2年生。

彼は身長180㎝で体重70㎏、背が高く、イケメンで誰にでも優しい。

よく女の子から告白されるけど、全部断っている。

理由はサッカーに集中したいからって。嘘ばっか。

サッカー部でエース。県の代表選手に選ばれるくらいに上手。

お父さんが早くに亡くなって、お母さんとお兄さんに育てられたヒカル君。

お母さんは料理が得意で、とても優しい人。

お兄さんはサッカーをしていたけど、家計のためにサラリーマンをしている。

2人に愛されながら育ったヒカル君。

彼も家族のため、頑張ってプロのサッカー選手になるのが夢みたい。


私とヒカル君は別のクラスで付き合っていることは秘密。

バレたらみんなに嫉妬されちゃうからってかわいい。

部活の時はきりっとするヒカル君、授業中は大人しく真面目に授業を受けるヒカル君。

部活の朝が終わると教室でお母さんの早弁用のご飯を食べる。

お昼は男友達と一緒にお弁当を食べている。

みんなに好かれる存在です。

部活ではチームを引っ張るムードメーカー。

部活が終わっても、1人残って自主練習をするヒカル君。

家に帰っても夜に町をランニングして、筋トレも欠かさない。

本当にプロに行きたいと思っている。

そんな彼が私は誇らしい。


そんな彼とは朝は一緒に登校し、帰りは練習終わりを待って下校。

これが2人に許された時間。

よく野良猫を見ると、近寄って撫でるヒカル君。

ああ、私も猫になりたいと思ってしまう。

練習後で少し汗臭いけどそれもまたいい匂い。

幸せな時間。学校では上手く話せないけど、このぎこちない距離もまた初々しい。

授業中の大人しいヒカル君も素敵だけど、私が一番キュンとくるのは、彼からの秘密のアイコンタクト。

休み時間になると、彼は必ず自分の教室の窓際に立って、ぼんやりと空を見上げる。

でも、私は知っている。

あれは、私の教室がある棟を見ている合図だって。

彼はきっと、私が見ているかなって確認しているの。

私が彼を見つめ返すと、彼は少しだけ口元を緩める。

たった数秒の、私たちだけの世界。

誰にも邪魔されない愛の確認なの。


そして、今日が初体験の日。

部活が終わって、私がこっそり彼の練習を見守っていた時。

彼は汗を拭きながら、バッグからペットボトルを取り出した。

その時、彼のバッグから黒いリストバンドがぽろりと落ちて、そのまま芝生の上に転がってしまったの。

彼は気づかずに、そのままランニングへ行ってしまった。

私はすぐに駆け寄って、それを拾った。まだ温かくて、彼の汗の匂いがする。

ああ、彼は私に「頑張った証」をくれたんだ。これは、私たちだけの、愛の証。


雲が少しばかり濃くなり、雨が降りそうな空模様。

部活も終わり、ヒカル君は足早に下校する。

そうだね。今日は傘持ってきてないものね。

それとも私との初体験が我慢できないからかな。

2人は足早にヒカル君の住むマンションに向かう。

彼が住むのはマンションの506号室の角部屋。

お隣の505号室は犬を飼っていて、結構よく吠えている。

ヒカル君は犬が苦手みたい。

3人で済むには少し大きめの余裕のあるマンションです。

今日はお母さんも仕事が遅いし、お兄さんも仕事で遅くなる。

2人きりで過ごす。最高の瞬間。彼も興奮を抑えられないのかも。

私も同じ気持ちだよ。ヒカル君。

心臓がドキドキで止まらない。身体が自分のものじゃないみたい。

でもね。今日のために新品の下着を付けたし、慣れない化粧もした。

私の全部をあなたに捧げるの。


あと少しでマンションに着いてしまう。

2人の距離は2m程。どうしても近くには行けない。

もどかしい距離。でも、それでもいい一緒にいれるなら・・・。

雨が少しずつ強くなってくる。

ヒカル君はカバンを頭に当てて走り出した。

私も一緒に笑いながらカバンを頭に当てて走り出した。


ヒカル君はマンションに着くなり、急いでエレベーターのボタンを押している。

何度も何度も。そんなに急がなくてもいいのにね。初体験は逃げないよ。もう。

私は彼の後ろにピタリとくっ付くと、彼は後ろを振り返った。

私はカバンから取り出した包丁をヒカル君の腹部に刺した。

生暖かい液体の感触が手に伝わって来る。

ちゃんと彼の顔を見ないと、私は上を見る。

ヒカル君は私の肩を掴んで離すと顔見た。

「誰だ・・・。お前・・・。」

エレベーターが着き、扉が開くとヒカル君は後ろに倒れこんだ。

「私だよ。花澤茜。あなたの彼女」

私はヒカル君を刺した包丁で自分の腹部に刺した。

初体験は痛いって聞くけど本当なんだ。

私はヒカル君に重なるように倒れた。

お互いの腹部から血が流れ、血は混ざり、一つになっていく。

ヒカル君これから私達ずっと一緒だよ。

大雨が2人を拍手で祝福するように音が鳴り響いた。


私花澤茜は今日初体験をした・・・。

読んで頂きありがとうございます。

一世一代の少女の初体験どうでしょうか。

今回は恋愛ものと見せかけたヒトコワエピソード書いて見ました。

前半はキュンとするように後半はぞっとするような感覚を味わって頂けたら幸いです。

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