表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最年少ダンジョン配信者の僕が、JKお姉さんと同棲カップル配信をはじめたから  作者: タイフーンの目@『劣等貴族|ツンデレ寝取り|魔法女学園』発売中!
第6章 世界のピンチも救っちゃいます

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

92/116

第92話 試作品


 特別討伐クエストの当日。

 蓮は工房の片良(かたら)に呼び出しを受けていた。


「武器の話かな?」

「たぶんね」


 急にメッセージが届いたうえに、職人の片良は蓮以上にぶっきらぼうなので「来てくれ」としか書かれていなかった。

 結乃はクエストには参加しないが冒険者服姿で同行してくれていた。


 工房に着くと、いつも以上にブスッとした顔の片良がカウンターにいた。


「よお、来たか」

「大丈夫ですか? 寝不足みたいな――」

「……分かっちまうか?」


 結乃はほとんど面識がないにも関わらず片良の不機嫌の原因を言い当てた。

 だがそれだけではなかったようで、


「昨日、変な女に絡まれてな」


 ジロッとこちらを見る。

 変な女? まさか……。


「あの姉ちゃん、坊主の母親だとかふかしてやがったな」

「……やっぱり」


 結乃と顔を見合わせる。彼女も苦笑していた。


「息子が世話になってるだの、いかに凄い男かだのと、熱く語られてな」

「それはなんと言うか――」

「ま、手土産ももらっちまったが。とびきりの名酒だ」


 片良の視線を追うと、カウンター奥の棚に何やら日本酒らしき一升瓶が置かれてあった。


「坊主たちの反応を見ると本当に母親なんだな。……とんでもねぇヤツだ」

「ごめんなさい……」

「いや。そういう意味じゃねぇよ」

「?」

「俺の悩みをあっさり解決していきやがった。武器づくりのな」


 片良によると、半ば強引に仕事の内容を問われたそうだ。

 蓮のユニークスキル【創造の炎(プロメテウス)】に耐えうる剣の製作。


「あのスキルを可能にするには魔力伝導率の高さと、魔法の威力に耐えられる強靱な素材……と思い込んでたんだがな。――あの姉ちゃんは魔法のプロなのか?」

「魔術師っていうより、研究者だけどね」

「なるほどな」


 片良は得心がいったように、


「ヤツのアドバイスは単純明快だった。コアになる部分に魔力反射マジックリフレクションの素材を埋め込め、だとよ」


 それは通常防具に用いられる鋼鉄素材だ。魔法を反射する性質があるが、かなり高価で加工の難しい部類に入るという。


 防具……といっても鎧のような広い面積に使うにはあまりに非効率で、物理防御は下がってしまうのが弱点。また、魔法を頻繁に使うモンスターは少数で、しかも上層階にしか出没しないので、魔力反射の需要はあまり多くない。


「【創造の炎(プロメテウス)】は坊主の強力すぎる重力魔法で刀身を打ち固めるスキルだ。普通の金属じゃその疲労に耐えられない――だから魔力そのものを反射させろってよ。……ったく、こんな簡単なことに気づかない俺も俺なんだが」


 ガシガシと頭をかく片良。


「僕はタダで提供してもらってるんだし――」

「んで」


 カウンターの下へかがむと、片良は一振りの剣を取り出してみせた。

 日本刀と西洋剣をミックスしたような外見。

 滑らかで吸い込まれそうな美しい刀身。


「作ってみた」

「もう!?」

「早いですね!?」


 荒巾木からアドバイスを受けたのが昨夜。寝不足の理由はコレを作っていたから――


「つっても、まだ試作品の域を出ねぇ。今日は特別討伐クエストなんだろう? こいつを使ってみてくれ」

「……いいの?」

「当たり前だろうが。坊主のために打った――この剣の真価を引き出せるのも坊主しかいねぇよ。いつも通り、感想も頼むぜ」

「――うん」


 手に取ると、ずっしりと頼りになる重みと、掌に吸いつくような感触があった。蓮のためにいくつか武器を作ってきた結果、より適合するよう素材や質量を調整してくれているようだ。


「いつもありがとう、片良さん」

「私からも……ありがとうございます」

「おう。いいってことよ。祝いの品としては色気がねぇがな」

「祝い? なんの?」

「オマエさんら、婚約するんだろ」

「「っっっ!?!?」」

「言ってたぜ、あの姉ちゃんが」


 結乃との関係を喜んでいた荒巾木だ、また適当なことを吹聴してるんだろう。


「この酒も『幸せのお裾分け』って言ってたぜ。孫の顔もすぐに見られそうだとも」

「ちょ! それは――!」

「ああ、ノロケは今度にしてくれ。俺は眠い、今日は弟子たちに任せて早じまいだ。もらった酒でも飲みながら、坊主たちのクエストを見物させてもらうよ」


 誤解をとく前に片良は、日本酒を片手に奥へと引っ込んでいってしまった。




楽しんで頂けたらブクマ・評価・感想などで応援いただけると大変嬉しいです。


感想欄はログインなしでも書けるようになっているのでご自由にどうぞ。

評価は↓の☆☆☆☆☆を押して、お好きな数だけ★★★★★に変えてください!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です。 本職の片良さんに「こうすれば良くね?」とあっさり打開策を提示できるんだから、漣オカンは改めて凄い人ですな…。 そんな人に「息子の嫁決定!」と認知して貰えた結乃も凄い(…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ