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縁側

作者: Libra

俺は女房の膝枕で

縁側から庭を眺めている

紫陽花の花はもう終わりなのか

枯れてしまった花と

咲いている花が同居している

その横では サルビア

が咲いている

プランターで育てたキュウリも黄色の花を咲かせ

ふたつほど実がなっている

俺は 女房に

「今日は、キュウリに金山寺味噌だな」

と声をかける

女房から返事がない

おかしい

何か違和感がある

女房の顔を見ようと

上を見るが

何故か

顔にもやがかかっている

遠くから

「あなた」

と声が聞こえる

俺はそちらに行こうとするが

身体が起き上がれない

目をつむると

優しい光が俺を包み込む

俺はそのまま 

夢の中へ

女房が泣いている

『俺は、野良猫を助けようとして、事故にあってしまったらしい』

俺は もうこの世にはいない




毎年 この時期になると


俺は女房のところに帰ってくる


昔よく

縁側で

ふたりで花火を見た

この時期に



助けた野良猫が縁側でのびをしている

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― 新着の感想 ―
[良い点] おはようございます! とても良かったです。 彼の奥さんはどんな気持ちで毎年、その大事な時期を過ごしているのでしょうか。 彼は毎年、奥さんに会う為にやってくるなんてとても素敵なお話です。…
[一言] 拝読いたしました。 あぁ。そういう事なんですね。 大切な奥様の元へと帰って来られたのかぁ。 離れても想いあっているのがわかって素敵です。 奥様はきゅうりをきっと毎年育ててるんだろうな…。…
[良い点] 物語…なのに ちゃんと…詩…に…なっている… 不思議… しかも…このストーリー性… 詩…の…中に…ぎゅっ…と…圧縮させて…ひねり出す。 ん~…毎度…凄いです…m(_ _)m なかなか…こん…
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