初めてみた自分の姿
ぼやぁっと、脳がちゃんと記憶を整理するまで3年もかかった。
やっと前世の記憶。というのを理解することができた。
その間、既視感を感じながら成長していった。
何をするにも楽しいっちゃ楽しいのに、どこか冷めた気持ちがあるのだ。
積み木や人形で遊ぶのは楽しい。だけど、どこか冷めたような気持ちがいつもあったのだ。
でもそれも前世の記憶の影響だとすればおかしくはない。
立派な社会人がそんな遊びを本気で楽しめるわけが無いのだ。でも子供の本能と、脳の発達途中だからか、子供になっていたのだ。
3歳になってようやく脳が記憶の処理ができたのだろう。
っと、そんなところで今の状況を把握しよう。
まず、この世界は地球ではない。なぜかというと魔法があるからだ。
成長した地球、とも考えれるけど、その割には、文明が退化している。
そして私の家柄。私の家柄は結構高いのであろう。
キラキラと、いかにもお金が使われているだろう上質なピンクのカーテン。
可愛い多くの人形達。
ピンクな可愛らしい部屋には大きすぎるくらいな豪華なシャンデリア。
中世ヨーロッパ風で、貴族階級があって、いい家の子だと予想する。
まぁ、異世界転生系が好きだし、そう思わせてくれ。
そして私にとって一番重要な部分!というか貴族だったら尚更大事なところ!それは
容姿!要するに顔だね。
顔は大事。人間、初対面の印象は大事なんだよ。
その意味で武器になる顔。できれば美少女希望!
私の部屋には鏡がある。
メイドもすぐ近くに控えさせてる。
っていうか、3歳児にこんな大きな部屋とメイド。やっぱ金持ちだなぁ。
まぁ、気を取り直して。
さっきメイドにお気に入りの人形を廊下に落としたかもしれない。っといっておいたから、少しの間は戻ってこないだろう。
さぁ。決行の時間だ。
私が落ちないように、落ちても怪我しないように、少し低い位置にあるイスに座る。
ただの鏡さえも可愛らしい。
鏡に被せている布をとった。
そこに映っていたのは......................
美少女だった。
正確には美幼女...なのかな。
目は二重で、少し垂れ気味。
でもだからこそ、そこから優しい印象を受ける。
瞳の色も、透き通るような桜色。見たものすべての心を奪い、慈悲に溢れたような色をしていた。まつげは影ができそうなほど長い。
髪は腰くらいまであり、ストレートで、ふわりとした髪質だった。
髪色は白くて、毛先は瞳の色と同じ透き通るような桜色だった。
この歳だからか、全く外に出なかった私の肌は真っ白で、透き通りすぎて、壊れそうなほどに儚げだった。
初めてみた自分の姿に、魅入っていた。
こんな絶世の美少女、漫画やアニメにしかいないと思っていた!
もしくは乙女ゲームとか.....って?あれ?どっかで見たことあるような...
あっ!思い出した!
そうだ。このキャラ、私が死ぬ間際までやっていた乙女ゲーム、「桜の花が咲く頃には、君と」の悪役令嬢、エルちゃんじゃん!