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1.オーロラの少女
ちまちま更新していきます。
私が生まれたその日、天変地異が起きた。
空が割れて、数多の光の槍が降ったと言われている。
実際は光のカーテン、あるいは女神のドレスの裾と呼ばれる『オーロラ』が出た日なのだけれど、王都の真上に出るのは初めての事で大事件となった。
そんな日に生まれたものだから、私は両親から『オーロラ』を意味する古い異国の言葉である『アヴロラ』と名付けられた。
アヴロラ……なんか重っ苦しい名前じゃないかしら?
正直、私はこの名が好きじゃない。
遠い異国のおとぎ話にはオーロラって名前のお姫様もいるけれど、実際にオーロラって意味の名を付けられたら名前負けもいいとこだ。
あんなに綺麗で幻想的で奇跡みたいな現象を名前に持つなんて、肩の荷が重すぎて肩の関節が外れそう。
だから私は、近しい人には『アヴィ』と呼ばせていた。
そんな私の半生の話でございます。