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平等な世界  作者: 衰吐
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人生は決まっている

父と母の間に出来た私が無事に生まれた日、その日から私の人生はある程度決まっていた。


私は紗夢(さゆ)と名付けられた。

子供が生まれたその日に国から来る1冊の本の最初のページに書いてある。

その本には5歳までの食生活、教育、服装までの理想の姿が載っている。それに沿って育てるだけである。


親の負担も減り、人と比べられることもない。


保育園という施設は昔無くなったらしい。

子供を持つ大人は小学校卒業までの期間は仕事をせず子育てに専念するという義務付けがあり不要になったからだ。


私が物心ついた頃から本に書いてある事を正しいと教わって過ごしてきた。

不便に感じたことは無い。


私はとても幸せで、これからも続くとそう信じていた。


私が5歳の誕生日、隣に住んでいる娘さんと初めて遊んだ。

年上の咲桃(さと)さんは自分のくまのぬいぐるみを私にプレゼントしてくれた。


その後これから通うことになるだろう小学校という施設の話を沢山してくれた。

勉強や給食、親から離れて生活すること、それがしばらく続くと聞いた。


そして5歳の誕生日の日に新しく届いた本に、学校に通うことは必要なことと書いてあった。

だから私は行くべきなのだと素直に受け入れた。


この幸せを続けるために必要なのだから。

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