表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は彼女を抱きしめた。  作者: 幸星
3/5

3話

この物語はフィクションです。

登場人物、場所などはほとんど架空のものです。

あの時はまだ小学2年生だった。

佐恵と美咲はその時まだ友達だった。

そこにたまたま積極的だった佐恵が俺を誘ってきて2人と仲良くなった。


「ねえ、誠大君はどこから転校してきたの?」

「そんな遠くないよ。隣のN市だよ」

「そうなんだ。一緒に遊ぼう?」

「え、うんいいよ」


それから、しょっちゅう遊ぶようになった。

あの頃は男女関係なく、特に理由もなく遊んでいた。

しかし、3年になった時にクラス替えで俺と美咲が同じクラスで、佐恵だけ違うクラスになってしまった。

それでもちょくちょく3人で遊んでいた。

2学期くらいから佐恵は新しい友達もできたらしく、3人よりも俺と美咲だけで遊ぶことが増えた。


「最近、佐恵ちゃんとあまり遊べなくて残念だね」

「そうだね、まあでも僕たち3人は友達だから大丈夫だよ」

「そうだね!」


あの時はまだ一人称は僕だった。

4年になったころだった。この年は3人同じクラスになった。ついでに取り巻きの数人も。

佐恵は俺たちとはほとんど遊ばなくなっていた。遊びたくなかった訳ではなく、佐恵が仲間たちのグループの中心になったのだ。佐恵を誘う度にその取り巻きたちが拒むせいでなかなか話せなかった。

佐恵はいつもごめんねと申し訳なさそうに頭を下げていた。

このころ段々スクールカーストが出来上がっていった。

佐恵はもちろん頂点にいた。

俺たちは中の下といったところだった。

3学期になると、佐恵の取り巻きたちが佐恵と仲良くする美咲を妬み始め、小さないじめが始まった。

すぐに俺は気づき、取り巻きののいじめに止めに入った。彼女たちはまだ軽い気持ちだったのか大したものではなかった。

その時佐恵は美咲にそんなことあったとは知らなかったらしい。


「大丈夫か美咲ちゃん?」

「うん、大丈夫だよ」


こんな会話をしていた時はまだよかった。

5年になった時だ。またも佐恵とだけ違うクラスになった

皆心も成長して、感情も豊かになると同時にいじめもエスカレートしていった。俺は美咲に何かある度にすぐに駆け付けた。女子トイレの中にでも。

だから、俺は美咲とずっと一緒にいた。

この時はもう、佐恵もいじめについて認知していた。でも止められなかったと言っていた。

ついには俺がいても何かしてくるようになった。俺にも被害が及ぶようになった。

周りのクラスメイトは自分が標的になるのが怖くて、だれも庇おうとはしなかった。

確かこのころに一人称が俺になったんだ。


「おい、やめろよ。俺たちなんかしたかよ!」

「佐恵ちゃんと仲良くしたのよ」

「友達と仲良くして悪いかよ!」

「あんたみたいなのが佐恵ちゃんの友達なんてありえない」


俺はカチンときて、思わず手をあげてしまった。

気づいた先生にすぐ止められ、親を呼ばれた。その時はこっぴどく叱られた。父さんにはげんこつされた。

6年になって俺と佐恵が同じクラスで、美咲だけ違うクラスになった。

取り巻きのほとんどが俺のクラスになったので心底安心していた。

美咲とはいつもとは変わらずだった。それから佐恵と話すことが少し増えて、色々話を聞いた。

5月のある日、美咲が親の仕事の関係で海外へ引っ越すと聞いて家を飛び出し、美咲の家へ走った。

これは後で聞いたことだが、佐恵はそれを聞いて会いに来たかったらしいが、取り巻きたちに阻まれて、会えなかったらしい。


「引っ越すって本当?」

「うん。アメリカなんだって。」

「アメリカなんだ。」

「でも大丈夫だよ!いつか帰ってくるし。」

「そうだよね……」

「美咲ー、準備できた?」

「あ、お母さんもうちょっとー」

「そろそろ帰るよ。準備の邪魔しちゃ悪いから。じゃあね」

「じゃあね、じゃなくてまたね!」

「そうだね。またね」


美咲が引っ越してからはさっぱりといじめがなくなった。それを実感じてからは胸が苦しくなった。

佐恵は取り巻きたちときっぱり絶交したらしい。それからは俺と佐恵は元の友達関係に戻った。


中学生になって、取り巻きは皆違う私立中学に進んだ。俺と佐恵は近くの公立にそのまま入ってから、それぞれ新しい友達ができたがこの辺りはそこそこ田舎な方で、そんなにクラスも多くなく、基本佐恵とよく一緒にいた。

周りからは彼女だと思われていたらしい。



「こんな感じかな。」


小学生でのこと、ついでに中学での話を一通り話した。


「結構私大変だったんだね」

「そうだね。でもまた会えたし、じゃあねじゃなくて良かったよ」

「じゃあこれからじゃあね禁止だね」

「そうだね。おっともうこんな時間だ、帰らなきゃ。あ、そうだ連絡先交換しとこう」

「私MINEやってるよ」

「じゃあそれでいいか。よしありがとう、じゃあ……じゃなくてまたね」

「うん、またね」


もう日が落ちるのが早く、外は真っ暗だった。そう遠くない自宅へ、いつものように走って帰った。


「ただいま」

「お帰り、ちょっと遅いよまったく」

「ごめん母さん」

「夕ご飯出来てるよ。さ、食べよ」

「すぐ行く」


夕食を食べ終え、風呂も済ませてから自室でおもむろにスマホの電源を点ける。

佐恵とのトークを開き、会話を始める。


『美咲帰ってきたんだよ。知ってた?』

『ふーん』

『気にならないのか?』

『そりゃ気になるよ。でも』

『でも?』

『私嫌われてないのかなって』


そう、俺は知っている。あの時の美咲は佐恵のことをどれくらいかは分からないが嫌っていた。

でも今は違う


『それなら大丈夫だと思うよ』

『なんでよ』

『美咲色々あって昔の記憶ないんだよ』

『そうなんだ』

『ショックじゃないのか?』

『むしろ好都合なんじゃない』

『冷たいな』

『でも一回会って謝りたいな』

『会えばいいじゃん』

『でも会ったら私泣いちゃうかも』

『そうか?まあ考えとけよ。おやすみ』

『あっそおやすみ』

どうも幸星です。

まず初めにMINEについて。MINEは無料連絡アプリです。〇INEみたいなやつです。

新キャラがぽんと出てますが気にしないでください。

それではまだまだ続くのでこれからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ