2話
どうも幸星です。
今回もどうか温かい目でお願いします。
家に帰りながらあれから言われたことを思い出し、整理した。帰り際におばさんに今後の事を教えてもらった。
美咲は家から近い私立高校に入るらしい。
まだ12月だ、今からでも志望校の変更はできる。もともと俺は近くの公立を受ける予定だったが、調べたところ偏差値はさほど違えわないようだったので、その時に決心した。
美咲と同じ学校に行く、と。
家についた。もうだいぶ日が暮れていた。
居間には両親と姉がいた。
「父さん今日は早いんだね。」
普段はもっと遅く帰ってくる父さんが、今日に限って早く帰ってきていた。むしろ都合がいいと思ったのは、決心を聞いてもらうためだった。
夕食を家族で食べ終わり、居間で団らんしているとき俺は話を始めた。
「今日さ、アメリカから帰ってきた美咲ちゃんに会いに行ったんだ。」
「あら、そうだったの?どうだった?」
母さんはにこにこして聞いてきた。姉貴はにやにやしていた。一体なにを期待しているのやら。
「悪いけど真面目な話なんだ。……おばさんからね向こうにいたときの話を聞いた。」
それから俺は今日おばさんから聞いたすべてを話した。傷ができたこと、記憶を失ったことも。
父さんも母さんも姉貴も、話を聞いていて顔つきが変わっていた。場の空気は一気に重くなった。
話は最後の、学校の話に移る
「それで、美咲ちゃんは私立のG高校に行くんだけど、俺もその学校に行きたい。」
話を聞いていて父さんは立ち上り俺の前に座った。
「彼女に付き添うんだな?覚悟はあるんだな?」
「うん。」
「よし、わかった。父さんは認めよう。母さんもいいよな。」
こくりと母さんも頷いた。
「絶対にG高校に受かれよ。」
父さんは俺の頭をわしゃわしゃと撫で、居間から出て行った。
「ふふふ、やっぱ誠大は誠大だね。」
にやにやと笑いながら姉貴が寄ってきた。
思い切り答えた。
「まあね!」
翌日、また放課後に美咲ちゃんの家に行く。
「こんちわー、遊びに来ました。」
「あら、誠大君。いらっしゃい。」
庭を手入れしていたおばさんが俺を招き入れる。
3年も家を空けていたのだからかなり庭が荒れていた。
そこで、今日来た理由を告げる。
「あのーまだ引っ越しの片付け終わってないですよね。今日手伝おうと思って。」
「あらそうなの、ありがとうね。じゃあ入って。」
「はい、お邪魔します。」
家の中はまだまだ段ボールが積み重なっていて、あまり掃除もされていないようだった。
まず何をすべきかおばさんに聞く。
「まずどれから片付けますか?」
「そうねぇ……じゃあこれを美咲の部屋に持っていってくれる?」
「あ、あとこれも一緒に頼むよ。」
「あ、はいわかりました。」
おじさんが追加で軽い段ボールを俺に渡した。段ボールを受け取った俺は、階段を上がり昔の記憶を頼りに美咲ちゃんの部屋へ向かった。この家はそこそこ大きいから廊下が長く部屋が多くて、何度か部屋を間違えたがやっとのことで美咲ちゃんの部屋についた。
段ボールを持っていて手が空いていなかったのもあるが、昔の感覚のままノックせずに入ってしまい、部屋の中で着替えをしていた美咲ちゃんに出くわした。お互いに赤面し、俺はすぐに扉を閉めた。
「ご、ごめん!」
「だ、大丈夫ですよ。気にしないでください。」
「あ、あのさ。こんな時になんだけど、敬語じゃなくていいよ。覚えてないとはいえ、友達だんだからさ。」
「そ、そうだね。わかった、誠くん。」
昔は「誠ちゃん」と呼ばれていたが、案外これでもいいかなと思った。
段ボールを片付けて、中身を言われた場所において、部屋を出ようとすると止めるように話しかけてきた。
「ねえ、誠くん。」
「うん、なに?」
「私、昔の話聞きたいな。小学生の時の。私記憶なくしちゃってるから……。」
「……うん、いいよ。俺は2年生の時にこっちの学校に来たから1年の時は知らないけど、こっちで美咲ちゃんと同じクラスになったんだけど。」
ー回想ー
「みんなー今日から新しい友達がきたぞ。仲良くしてやってくれ。さあ自己紹介してごらん。」
「比那名居 誠大です。よろしくおねがいします!」
「誠大君はあの席だよ。」
先生に言われ、こくりと頷き俺は席に着いた。
その時は別に美咲の事を気にかけてもなかったし、席も離れてた。
席に着くと隣の女子が話しかけてきた。
「私は近藤佐恵っていうのよろしくね。」
「あ、うん、よろしく。」
「ふふ。」
近藤さんは少し笑うとすぐに前を向いた。
近藤さんはある意味ターニングポイントになった人だ。俺にとっても、美咲にとっても。
超不定期的に投稿していきます。
今後もよろしくお願いします。