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嘘吐き大会

作者:浦島太郎
 十二月、大学生にとって将来を決める、もっとも大切な就職活動が始まった。
 三年生の沼田(ぬまた)大地(だいち)は合同説明会、就職ガイダンス、学内外で開かれるセミナーやイベントに参加して、真面目に就活に取り組んでいた。
 けれど、そんな大地を嘲笑(あざわら)う面接では当たり前のように嘘を吐く就活生で溢れていた。そんな就活生に驚き、辟易(へきえき)としながらも、大地は嘘を吐かずに選考を進んでいった。
 そのかいもあって、最終面接に二社、辿り着けた。
 どちらか一方からはもらえるだろうと、どこか楽観的に考えていた大地を待っていたのは、両社からの不採用通知だった。
 途方に暮れ、目の前が真っ暗になった大地だったが、母の助言で、就活から一度離れることにした。
 息抜きで活力が戻ると、また新たな気持ちで就活に臨み始めた。
内定が出始める四月では、同じく辛い思いをしている学生がいた。けれど、大地が所属しているゼミ生、豊崎(とよさき)薄荷(みんと)は少し毛色が違っていた。
 豊嶋はキラキラネームのせいでエントリーシートが通過しないと喚き、通過した数少ない企業の面接で、自己紹介をしただけで他の就活生に笑われ、それがトラウマになって、面接に対して恐怖を抱くようになってしまっていた。
 自暴自棄になっていた豊嶋を救ったのは、すでに内定をもらっていた織戸(おりと)一郎(いちろう)だった。  
 織戸がアドバイスをすることで、豊嶋は立ち直った。
 その頃、大地の親友の倉(くら)木(き)遼(りょう)が、人を殺したというニュースが夕方のテレビから流れた。
 ショックを受けている暇さえもなく、報道があった翌日も大地は説明会に参加していた。
 そんな大地に、ようやく待ち望んだ報せが届いた。
 しかし、就職先の企業の脱税が内部告発によって発覚し、そのせいで内定が取り消されてしまう。
 心が壊れそうになった大地はまた就活から離れることにしたが、今回は心に受けたダメージが大きすぎた。
 そんな時に、藤崎(ふじさき)優(ゆう)から電話を受け、大地の言葉で自分は救われた、と感謝の言葉を告げられる。
 就活が始まってから、誰からも感謝されたことがなく、傷ついていた心が、その一言で満たされていった。
そして、大地はまた嘘が渦巻く就活へと戻っていく。
就活開始
2016/04/12 20:40
企業説明会
2016/06/08 14:05
面接の始まり
2016/06/08 14:06
最終面接
2016/04/12 20:42
焦燥
2016/06/08 14:15
吉報と凶報
2016/06/08 14:18
卒業
2016/06/08 14:23
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