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無気力チーター  作者: maiki
カールの国『ロール』
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旅立ちと円卓




男は腕をまっすぐに伸ばすと親指と人差し指以外を握り、鉄砲の形を作った。



「バレット」


男の頭上にはピンポン玉ぐらいの大きさの火球がたくさん浮かんだ


「お前らは絶対にぶち殺す...」


男は火球を空に向けて全弾打ちあげた


「バーンドラ」



火球は集まり大きな竜を形作った



「お前らは死体の欠片も残しちゃやらねぇ。ドラメテオ」


竜は急降下しながら分裂していく

一匹だった竜が二匹に、四匹に、八匹に...


サイズが小さくなっていく一方で竜たちはリアたちの頭上を覆っていた。






「勝負はついたか」


離れたところで見ていた水気。




「それにしても…」

(目的は何だったんでしょうか…)


水気は全く違う方角を見ながら呟いた。





ネルチャはクロットがこちらにウインクをしてきたのに気付いた。


(えぇ、あれをやるの)


「3.2.1で行くよ」


クロットとネルチャは両手を上に挙げた



二人で三つ数える。




「3」




「2」




「「1」」




「「”リフテクター“」」




二人のウォールが幾重にも重なり、複雑に重なり合い、周囲を覆っていく。



土と炎の壁は襲い掛かってくる火竜達を通すことなく、その力を逆に利用して空高くに跳ね返した。



「何だよこいつら...」



明らかにうろたえている男に隙を見つけたリズが土を圧縮し作った、小指ほどの大きさの弾を投げるとトイスが風を纏ったレイピアで正確に突いていく。



「うぐっ」


威力を増した弾は男の腕、太ももに、計四発命中した。



「これぐらいでよぉ俺がくたばる訳にはいかねぇんだよぉぉぉぉおおお」


突如狂ったように騒ぎ出した男は、しかし急に倒れこんだ。




「もぉあきらめてよねぇ」



男の背後には、黒と白の羽をはやしたリンドルが立っていた。






「へぇ<部分召憑>も覚えたんだぁ」


「起きました?」


「うん。なんか面白い感じがしたから」



リンドルは自身の精霊の力を部分的に憑依させ、その羽の力で瞬間的に男の背後に回り込んだ。


そして、闇属性の魔法である催眠魔法で男の意識を奪った。



何はともあれ、こうして勝負は幕を閉じた。





「お疲れ」


皆でハイタッチをした後で、門兵を通して男の身柄を引き渡した。



男を引き渡した後で水気のもとへと向かった。



「お疲れ~」


水気は白の上で寝っ転がったまま手を振ってきた。



そのあまりにもいつも通りの雰囲気に、いつもの穏やかな日々を感じ、そして戦いが終わり緊張感から解放されたことでしばらく笑いあっていた。







「ゴスがやられたって」


「誰に?」


「なんでも新米ギルドの嬢ちゃんたちにだってよ」


「あぁ確かお前んとこの教え子だった奴だろ?」


「覚えてねえよそんな奴ら」




暗闇に響く声。


その主を見つけることはできない。


暗闇の中でも黒いフードを付けたままの彼らは、しかし、やられた仲間のことを気に掛けるでもなくすぐに違う話題に入った。



「最近ボス見てないけどどこにいたんだ?」


「知らねえよ。あの人のことだ、どうせまたどっかで誰かを殺してんじゃねえの」


「あの人落ち着きがねえからなぁ」



暗闇の中に笑い声がこだまする。



「ただいまぁ…ってまたこんな暗いままにして」


部屋に明かりがついた。



部屋の中は、円卓やソファ、武器などといったものが沢山あるが、それでも広く感じるほど広かった。


円卓の上には水気の写真が置かれていた。


「はいこれ」


電気をつけた人物はフードを脱ぎ、円卓の上に数枚の写真を置いた。


「誰?こいつら」


「トルス…あんたの学校の元教え子でしょ?」


「え~と…あぁいたねこんなのも」



学校でコウルと名乗っていたトルス。


すでにそのことは忘れていたようで曖昧な返事を返した。



「で、こいつらがどうかしたの?」


「こいつらよ」


「なにが?」


「ゴスを倒したの」


「倒したって…殺して無いの?」


「えぇ、遠くからだったからよく見えなかったけど、気を失わしただけみたいよ」


「うわぁ。そんな甘ちゃん共に負けるなんて、カスだなあいつ」


「まぁそうはいっても、前よりは格段に強くなったたわよ」


「ふ~ん。まぁどうでもいいけど」



再び話は変わっていった。








「ならそろそろ行こっか。」


「どこに?」


少しの休憩の後、長く時間がかかったがようやく出発しようとしたリアたちを止めたのは水気だった。


「どこにって…これから旅立つんでしょ!!!」


「あぁそうだった」


こんなやり取りをしながら、水気たちは始まりの街を後にした。





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