震える手
コンコン
静かな廊下にノックをする音が響いた。
「入りますね?」
ドアを開けて入ってきたのは、リアたち八人。
「昨日は本当にごめんなさい」
全員が頭を下げた。
「あれ?みんなどうしたの?行くならさっさと行こうよ」
そういって水気は部屋を出て行ってしまった。
「待ってください」
ようやく水気が止まったのは門の前だった。
昨日門兵が一人死ぬという事件が起きたせいで、いつもより警備が厳重になっていた。
「まっ、行こうか」
そういって水気は白を出してそのうえで寝てしまった。
何か複雑な思いを抱えたままのリアたちは、水気に続く形で門から出た。
リアたちが門から出た途端に街の方から警報が鳴った。
警備にあたっていた兵士たちがざわめく。
しかしすぐに街の方へと走っていった。
「あのっ!水君」
テレが叫んだ。
自分たちも行きたいということなのだろう
リズやネルチャも叫ぶ。
しかし水気は動かない。
白の上に寝転がり、空を見上げている。
「私たちだけでも行きますから」
しびれを切らしたリアが走り出そうとしたが。
「待ったっ」
クロットが止めた。
そしてすぐに...
「久しぶりだなぁ」
水気の前に昨日の男が立っていた。
「どうして?」
「昨日捕まったはずじゃ...」
「おや?人数増えたか?」
男は落ち着いた様子で手を振ってきた。
「捕まったってお嬢さん方…昨日のはこいつに幻術をかけられていて動けなかっただけで、あんな奴らから逃げるのなんざどうってこたぁねえよ」
それより、と男は水気をにらむ。
「よくもやてくれたなぁ」
ゾクッと昨日と同じように全身に鳥肌が立つ感覚を覚えるリアたち。
昨日と違いさっと武器を構えたが手が震えている。
「ふわぁぁ...」
いつもと変わらず、緊張感のかけらもない水気
「今日はこっちが相手してくれるよ」
リアたちを指さしそれだけ言うと水気は寝てしまった。
突然のことにも驚かないリアたち。
最初から覚悟を決めていたし、自分たちからやらせてほしいというつもりだった。
「おいおいふざけんなよ。こんな餓鬼ども相手で俺が満足できねえよ」
そういって水気にとびかかろうとした男は後ろへ飛んだ。
「おいおい、そっちはやる気満々って面してんじゃねえかよ」
男が元いた場所に氷でできたナイフが複数刺さっていた。
震える手を強く握りながら最初に攻撃を仕掛けたのはリアだった




