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無気力チーター  作者: maiki
第一章 学校編(ロール)
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第三試合 水気VSシルカ



「それじゃあ水気君、準備はいい?」

「いつでもいいよ~」


シルカは片手剣を抜いた。


『水気VSシルカ』


「それじゃあいくわよ……」

シルカは水気との距離をつめると片手剣を持っている右手ではなく左手を水気に向けた。


「“樹牙光斬じゅがこうざん”」

シルカの手が光った。

シルカの掌から木の根のようなものが伸び、水気を捕らえた。


「木属性の魔法か~」

水気は微動だにしていない。

焦るどころか表情からは余裕さえ伺える……というよりいつもの気だるそうな表情だ。


水気を締め付けていた根が内側から光を帯始めた。

光りはすぐにおさまった。なにも起きなかったように見えたが水気の身体からは切り傷とともに血がたれていた。


光がおさまると同時に水気を締め付けていた根も消失した。



「ハァッ」

シルカは根が消えると同時に、瞬時に十二回。まさに目にも止まらぬ早さとばかりに切りつけた。

もちろんシルカの使っているのは模擬刀である。

にもかかわらず水気の身体、頬のあちこちから血が吹き出した。


「“ドールグラル”」

シルカの背後で声がした。

「……えっ!?」

同時に目の前の水気の頭がとれた。


遠くから小さい悲鳴が聞こえた。



取れた頭は転がりシルカの足元まで転がってきた。

「キャッ」

これにはさすがのシルカも悲鳴をあげてしまった。



「あらら頭がとれちゃった?」


再び声がしてシルカは先程背後で声がしたことを思い出した。




水気はシルカの足元に落ちた人形の頭を拾い身体まで持っていくと取れたところを合わせた。


すると自然に首が繋がっていく。

身体中にあった傷も消えていっている。



水気は始まった瞬間に“ドールグラル”という魔法を使い土で創ったこの人形を残してシルカの背後に気配を消して瞬間移動した。


シルカはすぐに走っていったので水気はゆっくり歩きながらシルカに近づいたのだった。



水気は早く試合を終わらせてのんびりしたかったので攻撃しようとしたが、その動きは途中で止まった。



シルカが指を鳴らすとシルカの後ろに二体の精霊が現れた。


「<略式召喚>ルイ、ガルよろしくね」


そのうち一体はカンガルーのような姿をしている。

両手だけが緑色をしており、全身は茶色をしている。

身体の茶色に両手と同じ緑の線が入っている。


もう一体は全身が紅い鶴のような精霊だ。

身体の所々にオレンジ色の線が入っている。


どうやらカンガルーがガルで鶴をルイと呼んでいるようだ。



「へ~二属性……木と火属性使えるんだ。」

水気は二体の精霊を好奇心に満ちた目で交互に見ている。



「まーね」


シルカは水気に向かって走り出した。

ガルとルイもシルカに続いて駆け出す。


「ガル“樹迷百裏じゅめいひゃくり”、ルイ“フレイムライズ”」


ガルの足元から草が生えた。それはすぐに樹へと成長した。

ガルは水気を中心に円を描くように走っている。

ガルの通る跡には樹が生え、それはさらに増え続け、水気の回りはまるでジャングルにでも迷いこんでしまったようなありさまだ。



水気は起こっている光景をただぼーっと見ていた。


ガサ


樹の後ろからシルカが飛び出してきた。

シルカはそのまま水気に向かって斬りかかった。


カキンッ


高い音が響いた。


「いつの間に人形と入れ替わったの?」

シルカはジャンプして水気との距離をとった。

「あれ?今度はばれた?」

目の前の水気…の人形は首をかしげながら言った。

シルカは苦笑いしながら答えた。

「そりゃ、掌で受けたのにあんな音がしたら気づくわよ」



水気はシルカの剣を素手で止めていた。

にもかかわらず金属同士がぶつかったような音がしたのでさすがにシルカも気がついた。


「なーんだ」

今度の声はシルカの隣から聞こえた。


がさがさっと音がして水気が出てきた。

水気が指を鳴らすと、ぽつぽつと雨がふりだした。


水気にかかれば屋内に雨を降らすことは容易なようだ。


すぐに雨は強くなった。


そして霧が発生した。

ジューッと音がして霧がどんどん増えて濃くなっている。



シルカはすぐにルイのフレイムライズをやめさせた。


フレイムライズとは強い炎の塊を出すことで小さい疑似太陽を造り出すことができる。

本来はこれを敵に向けて放つのだが、シルカはこれを違う使い方で使おうと思っていたのだが。

知ってか知らずか、水気が水を発生させたせいでそれが蒸発して霧を発生させてしまった。



「ん~…なんかジメジメする」

水気が嫌そうな顔で嫌そうな声を出す。

そして再び指をならした。


「…え、え…」

辺りの景色が一変した。

樹に覆われ霧が深かったまるで本当にジャングルのようだったのが、一瞬にして元の体育館へと戻った。


あまりのことにシルカはその場で固まり周りの景色を見ていた。


駆けていたガルも魔法を止めて次の合図を待っていたルイも一瞬の出来事に固まっていた。


シルカはすぐに気を取り直した。

水気との距離をつめる


「“フレイムローズ”」

シルカの回りを炎でできた薔薇の花が咲き乱れる。


「<五連>“グレンロライズ”」

シルカの剣が紅く染まる


横・縦・右斜め・左斜め…突き一瞬にして五連を決めた。

高い音が五回続いた。

水気はいつの間にか、その手に小さめの片手剣を持っていた。

シルカは驚いていない。予期していたようだ。



「ガル“樹塚”ルイ“炎光”」


ルイが飛び上がり、その身体から強い光を発した。まるでその身を太陽へと変えたようだ。

水気の後ろに回っていたガルが緑に淡く光る。

ガルの身体から根が生え、水気を捕らえた。


「バースト」

シルカは後ろに跳んで水気との距離をとった。

入れ替わるようにシルカを囲んでいた薔薇の花が水気へ向かって飛んでいった。


ドッドッドッドッ…ドーーン


薔薇の花が水気に触れると爆発を起こした。

次々に爆発を起こしていく。



「ふぅ~」

シルカは手応えを感じ額の汗をぬぐった。





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