ボス部屋発見
テレは右手で弓を持ち、左手で矢を引くような仕草をする。
もちろん右手には弓を持っていないし、左手にも矢を持っていない。
しかし、次の瞬間…バドラストが吠えるよりも早く、七色に輝く、弓と矢がテレの手に握られていた
そしてすぐに矢が放たれる。
バドラストは素早く避けるが、わずかに遅く、右足にかすってしまった。
すかさず、攻撃を仕掛けようと、攻撃をしてきたテレを見たバドラストはその光景の衝撃に、攻撃どころではなかった。
本来なら今のは避けられたと思うかもしれないが、テレには今の一撃で十分だった。
瞬時にバドラストの弱点属性を見極めたのだ
(火が五で水が三、土と草は一か…光には弱そうなんだけど…使えないからな)
そう思ってテレはチラッとリンドルの方を見る。
でもすぐにバドラストに向き直り、火の矢を出した。
先程よりも大きな矢が続けて十本。
それが一度にバドラストに向かって飛んできた。
それも正確に弱点である、羽の付け根にある心臓、目、鼻、喉。
攻撃をあきらめ、即座に避けようとするバドラスト。
しかし、それがわかっていたように、テレが矢ではなく、大きな火の玉を飛ばしてきていた。
ネルチャが使っていた「業炎」には及ばないが、それでもとてつもない威力を持っているのがわかる。
バドラストは死に物狂いで飛び跳ねた。
それでも火の玉を避けきることはできず羽の先端に触れてしまった。
バドラストは致命傷ではないと一安心したが 次の瞬間、バドラストは炎に包まれていた。
燃え盛る自分の体を認識して、バドラストは絶命した。
「終わった…」
こうして、テレの戦いは終わった。
「よーし、ようやく僕の番だね!」
少し休憩した後、再び出発した。
次はクロットの番だ。
細い道で、クロットは道の真ん中に立つと2丁拳銃を構えて
「行くよー、散弾」
そういうと両方の引き金を引いた。
シュパンッ!?
割くような音と共に、一つのたまが発射された。
その弾はすぐに分裂していき、四方八方に飛んでいった。
壁のあちこちに弾が打ち込まれた跡がある。
罠が発動したのだろう、落とし穴が開いている。
弾の跡とあいまって今までよりもひどく感じさせる。
クロットは満足げに進んでいくが、周りは引いていた。
「す、すごいですね」
「それって水君と戦ったときは使ってなかったですよね?」
「まぁこれは距離が離れてたら威力が小さいからね」
この調子で進んでいった。
しばらくすると今までにはなかった扉が全員を待ち構えていた。
「これは、今までにはなかったよね」
クロットは目を輝かせ
「じゃあこれはあれかな?この層のボスとかかな?」
「もしボスだとしたら一人だと危なくない?」
ネルチャがクロットを心配するのも当然だろう
ボスと言うからには今までの魔物とは比べ物にならないほど強い。
まして、ここは未知の層なのだ
「大丈夫だって。生徒会長に任せなさぁい」
ネルチャの心配をよそにクロットはとても楽しそうだ。
(クーちゃんがこうなったら、もう聞く耳持たないか…諦めよ)
クロットはワクワクしながら扉を開けた
(何が出るかな?)




