初めの出来事
「とりあえず寝るところでも探そ~かな」
旅立つ決意をして?宿を出た水気を待っていた現実それは……冒険者じゃないと町の外には出られないという事だった
元々やる気がなかった水気はあっさりと引き下がったがお金がない水気はいくところをなくしていた
町の人混みを避けるように路地裏に入った水気はこれからのことについて悩んでいた
すると
「キャーーーッ」
「…?誰だろ、 ここも治安が悪くなってきたな」
面倒事があると思った水気はその場から離れようとしていた・・・
「誰かーーー」
(あれ?なんか声近づいてきてない…離れた方がいいよね)
向きを変えて去ろうとした水気は突然後ろから掴まれたことに気がつき内心振り切って逃げようかと考えていた
「あの…どうかお助けください!お願いいたします」
「何で?」
「え・・・何でって」
「え~振り向いたら面倒ごとに巻き込まれるじゃん!」
手が離れたので進もうとしたとき、後ろでつかんでいた誰かが水気の前に回り込んでいた
(あらら)
「どうしたの?突然」
回り込んできた誰か……声で薄々気づいていたがやはり女だった
見た目は水気と同い年ぐらいか、背は水気より低く165ぐらいだろう。肩ほどまで伸ばしていている白い髪が印象的だった。
、瞳のは色紺色をしていた。
どこかの姫のようだがそれでいてどこか親しみやすさを感じさせるような雰囲気を持っている
(フム、髪が白いから白頭でいいかな?)
「…それが……後ろ……」
・・・?
何やら言いにくそうにしている彼女が気になり振り向いた
「あぁやっぱり巻き込まれた」
「申し訳ございません」
「おい!もういいか?」
「ぁ、待ってくれてたの?ありがとー
もういいよー」
緊張感もなく言葉を返す水気…その回りには明らかに私たちは悪者ですといっているような黒のフードを被った男たちがいた。…声からしてたぶん男だろう。
その男たちが丁寧に待ってくれていた
・・・案外思っていたよりも治安は悪くないのかもしれない。
「で?待っていてくれたのには感謝するけどこれからどうするの?
俺は正直関係ないからこのままこっからどっか寝る場所を探しにいきたいんだけど、この白頭に巻き込まれただけだし…」
水気の言い分に回りの全員…悪者風の男たちまであっけにとられていた。
「・・・」
「おいおい坊主、俺が言うことじゃないんだろうが少しかわいそうじゃないか?」
・・・水気の言い分に泣きそうになりうつむいている少女があまりにかわいそうに思ったのか男たちのうちの一人が口を開いた。
「え~めんどくさい」
ここまで言われても意見を変えない水気をその場にいた全員…少女だけでなく男達までが水気に対しジト目を向けていた。
さすがの水気も周りを見てため息をついた
「…はぁ~…仕方ない。
ねぇねぇ白頭、タダ働きはしないからね!」
「・・・え?」
少女が助けてくれるのかと思い頭をあげるとそこに水気の姿はいなかった。
当然今までの会話から逃げられたと少女は思った。
それも当然かもしれない、男達まで助けてあげればというほどだったのだ。
再び少女はうつむいた
少女はこれからのことを少なからず覚悟を決めていた。
・・・・・・ふぅ~
あまりに緊張感のない声が聞こえてきた。しかもその声は先程までと同じように少しも慌ててもいない声だ
・・・ッ‼
驚いて顔をあげた少女の前にはさらに驚くべき光景が広がっていた
自分が助けを求めた青年の前には自分を追いかけていた5人の男たちがきれいに並んで倒れている。一瞬のうちに男達が倒されているのはもちろん、男達にはひとつも傷がないのだ。何が起こったのかわからず呆けてしまっていた。
「お~い?倒したよ~。聞いてる~?」
「…ッ‼あっ、あ、あの今何をなさったんですか」
「いきなりそんなこと聞かれても~、答えたくないよめんどくさい」
「…あ、失礼いたしました。助けていただきありがとうございました。」
興奮していたことに気づき恥ずかしく思ったのか、赤くなって礼をいった
「うん、いいよー。どういたしまして。
でもちゃんと約束は守ってね」
「約束ですか?」
「ちゃんと言ったよ。ただ働きはしたくないって」
「…ですが…私に何ができるか…」
水気の言葉に少女は再びうつむいてしまう
「あぁその事なんだけどね今寝るところがなくて困ってんだ~。だからなんとかならないかな~」
「…!?でしたら是非私の家においでください。
私の家は宿を営んでおりますので歓迎いたします。」
(…ラッキー)
「おぉ~。助かるよ~」