水気、そんなことまで
「………………きて…………おきて」
(何だろう?結局昨日はあんまり眠れなかったな)
「起きてってば‼」
「……‼」
目の前に水気の姿があった。
ガバッ‼
慌てて起き上がるリア
「何で茶見さんが私の部屋に!?」
「だっておばさんが起こしてこいって」
「え?今何時ですか?」
「えっとね~」
枕元にある時計を確認する。
「……あああああぁぁぁぁ」
ビクッ!?
「もうこんな時間じゃないですかー」
時計はすでに8時20分を指していた。
慌てて支度をする。
「……………………?」
ポカーンとしている水気に
「着替えるから出ていってください‼って言うかあなたもまだパジャマじゃないですかー‼早く着替えてきてください‼」
「朝から元気だね。」
「いいから早くー‼」
呑気な水気が少し羨ましくなってきたリアだった。
5分後
「あんまり食べてなかったけど大丈夫?」
「時間がないんです。茶見さんも急いでください。」
水気の手を引きながら走るリア、
(手を繋いでるのにドキドキしている暇がないよー。違う意味でドキドキはしているけどー。)
「そんなに遅刻したくないの?」
頭を傾けながら聞いてくる水気。
「当たり前じゃないですか‼点がでなかったらどうするんですか‼
特に茶見さんはFクラスなんですから退学になったらどうしようもないんですよ。」
「……そっかぁー、なら少しだけならいいかなぁ。」
そういうと水気は立ち止まり
「ねぇねぇこっちに来て。」
・・・・リアを抱き寄せた。
「えぇぇ!?こんなときになにしちぇるんですかぁー」
顔を真っ赤にしながら抗議するが噛んでいるし表情からしてもあながち満更でもないらしい。
そんなリアにお構いなしで水気は目の前に意識を集中させると
「……!?」
ドアを出現させた。
「これは?」
「いいから早くー」
そういいながらリアの手をひく水気、恐る恐るドアに手をかけ、リアは覚悟を決めてドアを開け飛び込んだ。
・・・・そこは
「どうしたリア飛び込んで入ってきて。…?そいつ誰だ?見ない顔だけど……!?そいつ、その模様はFクラスじゃないか‼どういうつもりだリア?」
リアは目の前の光景にただただ呆けていることしかできなかった。
目の前に広がる光景、それはリアの教室だった。
クラスメイトがこちらに向かって叫んでいるが反応できない。
水気は叫ぶ生徒たちと呆けているリアをほって自分のクラスへ向かった。
後ろからはまだ叫び声が聞こえている。
(こいつらの記憶消そうかなぁ)
物騒なことを考える水気、実行は面倒くさくなるのでしないだろうが・・・・