テスト内容
(え?でも……)
水気の説明を聞いてふと思ったことを質問してみた。
「茶見さん、確かにあなたの魔法は今はまだあまり公にしない方がいいと思いますけどそれでもFクラスっておかしくないですか?」
その質問に反応したのはカルトだ
「どう言うことだ?」
「え~と私たちの学校は魔力もそうですけど基本魔力テストで落ちた生徒も武術テストで点をとれば少なくともCかDにはなれると思うんです。」
「そうなのか」
「へぇ、そうだったんだ~」
「「………………」」
水気の言葉に二人は固まる。
「……ッ‼」
リアは自身が思いつくなかで一番あり得なく、しかし目の前の青年なら下手すると一番可能性があるかもしれない事を恐る恐る聞いた。
「……もしかしてその試験もパスしたなんてあり得ませんよね。」
「……。」
目をそらす水気。
「……。」
「…………。」
堪らなくなりカルトが場を落ち着かせようと言った。
「ハハハ。流石の茶見君もそんなことをするわけがないよね?」
「………………」
「茶見さん、ちゃんと説明していただくまで寝かせませんよ。」
ゴゴゴォー と背後にオーラが出ていそうなリアに水気はこってり絞られた。
そのとき水気は
(白頭ってナレーターさんよりも怖いかも。)
と思っていた。
リアは自分の部屋に戻りベッドに倒れこんだ。
「せっかく茶見さんとおんなじクラスで授業受けれると思ったのに。」
(しかも先生に掛け合うっていっても拒否するし……)
「私と同じは嫌なのかなぁ」
今日何度目かもしれない溜め息を吐きながら枕に顔を埋めた。
そのとき
「たぶん違うと思うわよ。」
「……‼お母さん」
いつのまにやらシルカがドアの前にたっていた。
「あの子はあんたのためを思ってじゃないかな?」
シルカの言葉にリアは頭を傾けた。
「私のため?」
「そう。もしテストの時さっきみたいに魔法使ってたら、恐らく彼は学校に居られなくなるわよ。」
その言葉に思わず聞き返した
「居られなくなるってどうして?」
「だってそうでしょ?あなた達が言ったみたいに彼の魔法…能力は規格外といってもいいわ。そんな能力を知ったら恐らく国に捕まるわよ。」
「国に?」
「今でこそ表面的には平和だけど言ってみれば回りの出方を伺ってるようなもんなのよ。」
「へぇ~」
「あなたにはまだ少し早かったかしらね。」
「……なら武術テストをしなかったのもそうなのかなぁ?」
止まる二人。
「………………それは……どうかしら?」
「で、でも貴女が掛け合うって言ったときに断ったのはあなたへの優しさよ。」
必死に取り繕うシルカ。
「そうなのかなぁ、今更面倒くさがっただけのような気もするんだけどな。」
・・・・想像できてしまった。
「お休みなさい。リア。」
シルカは逃げ出した。