水気の謎
「茶見さん‼どういうことか説明してください!?私納得できません。父さんもなんとかいってください、これは何かの間違いです。もう一度テストしましょう茶見さん!?」
宿につくなりリアが詰め寄ってきた。間近でリアの顔を眺める形になっている。
一通り叫ぶと、我にかえったのか近くにある水気の顔に驚いて、真っ赤になりながら後ろに下がった。
それを眺めていたカルトは笑いながら
「落ち着いたかい?リア。茶見君の話も聞かないと。」
「すいません。つい熱くなってしまいました。」
その間黙っていた水気はこれから始まる学校生活を思い、憂鬱な気持ちになっていた。
「聞いてますか~?もう茶見さん‼
説明していただけますよね。」
「……何を?」
リアはもうあきれていた。
「だから試験の内容を教えてください。どうしてFランクになったのか知りたいんです。」
「何でって、普通に試験を受けた結果だし、あれって魔力適正?を試すんでしょ。それならこれが適正なんじゃないの?」
リアも水気が本気で言っていることがわかったから落ち着いた様子で聞いてきた。
「どんなテストだったんですか?」
「え~とねぇ……」
水気はこの試験の内容を聞いて諦めていた。
試験内容とは…使える魔法のランクを低い順から一番高いランクまでを少しずつ見せるというものだった。どこまでできるかを見せるだけなのだが水気には無理だった。
ゆえに水気の出した答えは
「え~とねぇ、ギブアップ」
・・・
「ギブアップしたんですか‼なんで?ただ魔法を見せるだけだったんですよね。」
「だって俺リアが使ってたのはできるけどそれ以外ってなると今は無理だよ~」
「…?」
「だってこれでしょ。」
そういうと水気の前にリアが以前出した子猫と大きいライオンのようなものを出現させた
・・・・・・!?!?
「「…………………………」」
「どしたの?」
「……茶見さん今何をしたんですか?」
「だからこの前白頭が使った魔法でしょ?」
「……え……でも今……ぇ…今なにしたんですか?詠唱もなしで?」
混乱している二人を前に水気は何てことはないといった様子だ。
「もういい?ご飯にしようよ~」
「…………………………」