7話
「そいじゃ、行って来るね!」
「うん、お土産忘れちゃダメだかんね!」
「バレるなよ!」
バレないよ、飲んだくれの鬼じゃあるまいし。
それに、ちゃんと変化の術も出来るし、バレる要素は無いだろう。多分。
「しばらく帰ら無いからね。」
そう言って僕は人間の街の大きな壁をジャンプで越えた。
―???―
ああ、今日も疲れた。
なにかいい実験材料ないかし…ら…。
「んー、案外どうにかなるもんだね。意外と見つからないし。」
いやいや、私に見つかってるからね?勝手に侵入して来たみたいだし。今声掛けたらどうなるかしらね?
「ここは…どこかの家の庭かな?ヤバくないかな?早く出ない…と……。」
「あら」
「あ」
「「…………………。」」
「お邪魔しました。」
「まあ待ちなさい。」
ふふふ、良い実験材料が自ら来たみたいね♪
―クロ―
ああ、何でこんなことに…。
今、僕は謎の女性に質問、もとい尋問をされています。
「じゃあまずは名前を教えなさい。」
「クロです。」
「そう、あ、私は八意永琳よ。これからよろしく。じゃあ次の質問だけど、あなた人間?」
「これからって何ですか。後、僕は正真正銘人間ですよ。」
あ、今ニヤってなった。
「ここがどんな場所か分かって無いみたいね。」
え。
「ここは私の研究所、ヤバめの薬とか色々作ってるのよ。それこそ、妖怪も殺せる位の薬も、ね。」
そう言って何処からか取り出した注射器をちらつかせてきた。
なんか紫色になったり、緑色になったりしている。って、
「なにそれ!?それ僕に打つ気なの!?」
「大丈夫よ、5割は自白剤だから。」
「残りの5割は!?」
「…それはそうと、」
「それはそうと!?」
話題を逸らされた?!なに!なにが入ってるの?!
「ほら、早く言いなさい。言えばこの薬の残りの5割の効果を教えてあげるわ。ちなみに、この薬実験段階だから。」
「実験のデータ集計の手伝いはしないよ!」
「あら残念。」
なにこの人超怖いんだけど!
「で、妖怪よね?」
「決定なの!?いやまあそうなんだけどさあ!
もっと何か無いの?!怖いとか!何か有るでしょ!?」
「あら怖い。」
「…………もう良いよ。」
何か妖怪としてのプライドとかなんやかんやが粉々だよ…。
元々人間だけども。
「それで、ここには何をしに来たの?」
「え?うーん……観光?と調査かな?人間が妖怪を嫌う理由を探して来い、って赤鬼さんが……」
「そうなの。」
「赤鬼さんが自分で行けば良いのに!ちょっと攻撃されたからって諦めんなよっての!」
「へ~、苦労してるのね。」
「分かってくれるの?」
「まあね、家にも苦労掛けてくれる子が居るのよ。」
「へえ~。じゃあさ、苦労してる者同士、愚痴聞いて欲しいんだけど……。」
「良いわよ。」
このあと三時間位愚痴ってた。
バレンタインのお話とか書きたいけどなあ…。
まだまだ早いよなあ…。
来年まで書いてるかなぁ…。
訂正しました。
永林→永琳