6話
あ、頭が割れる様に痛い…。
二日酔いか……。お酒なんて飲んだことなかったけど、おそらく僕はお酒に弱いらしい。お酒はあまり飲まない様にしよう。
「あ、起きた?」
「ルーミア…。ここは?」
「私の家。」
家なんて持ってたのか。
「まあ、正確には私の能力でそれっぽく建てたんだけどね。」
なるほど、確かに黒しか見えない。光は太陽の光を天窓から入れているらしい。
「ふーん、良くできてるね。」
「でしょ!」
「じゃあ、僕も帰るよ。」
「…家、持ってたのか~?」
「まあ、ちっちゃな小屋みたいなもんならあるよ。言って無かったっけ?」
「聞いてないよ?!」
~クロの家(?)
「うわ…本当にただの小屋だ。」
高さ約2メートル30センチ、中の広さは六畳半程。
頑張って作ってみたは良いんだけど、どうしても強度がなくてね。まだまだ自分の腕が甘いということか……。まあ、材料が揃えば魔改造していく予定です。
地下室造ったり、
呪いや呪いの研究所造ったり、
夢が広がるネ☆
「…そんなことするつもりなのか-…。」
「ま、程々にはするけどね。」
僕らがそんな他愛もない話をしていると、
「なにやってんだ、ルーミア、クロもいたか。」
「ああ、赤鬼さん、何か御用?」
「いやいや、大したこと…のようなそうじゃないような?」
「何ですか。さっさと要件言って帰って下さい。」
「おうおう、酷い事言ってくれるじゃないか。ナイチャウゾ?」
泣いてしまえ、僕の尻尾にイタズラしてくる赤い鬼は泣いてしまえばいい!
僕の尻尾は悪酔いした鬼に力いっぱい抱き締められる為にあるんじゃないよ!
で、何なんだろう?
「最近、人間ってのがすごいことになってるんだ。ちょっと見てきてくれないか?」
「えぇ~…赤鬼さん自分で行ってきなよ…。」
「いやぁ…行ってきたんだが……。」
何か遭ったんだろうか?赤鬼さんの顔つきが少し悲しげになる。
「あいつら、何か私が近づいたら攻撃?してきてなあ…、ほら、人間ってのは脆い上に弱いだろ?適度にあしらってたんだが全然攻撃が弱まらなくて、寧ろどんどんひどくなって来たし、森とか山が燃えそうなってたんで帰ってきたんだ。」
「森の事とか考えてたんだね。」
「まあな、実りが無いと腹も減る、自然が消えれば妖精共とどんちゃん騒ぎも出来やしないしな!」
うん、まあ分かってたよ、うん。
「そこで、クロに何故人間が私達妖怪を嫌うのか、とかあの壁の中がどうなってるのか、侵入して調べて来てくれないか?」
「それこそ赤鬼さんが行けばいいのに。すぐにバレるのが落ちでしょうけど。」
「だからだよ!分かってて言ってるだろ!」
「そうですけど…?分かって無かったんですか?」
「喧嘩だああああ!!クロオオオオオオオ!!!」
「嫌ですよ、面倒な。」
「ムキャアアアアアアアアア!!!!」
何だろう、今の赤鬼さんを見てると胸がスッとする。
酔う度に、絡んで来るからめんどくさい事この上ない。
最終的に、僕自身も興味が在ったので、言ってあげることになった。