3話
「そらっ!」
「うわあぁぁぁ!」
危なっ!
どうも、只今絶賛戦闘中のクロだよ!
もう、ね。勝てる気がしませんよ。
能力で結界張ったりしたんですが。
「結界!」
「あ?またかい?ふん!」
パリィィン
「だあああああ!勝てるかああああぁぁぁぁ!!!」
「諦めるのはまだ早いと思うけどねえ。」
そんなこと言いますけどねえ。
もう、かれこれ三時間は経ってるんですよ。もうね、体力が、ね、尽きかけて、るんですよ。妖怪のスペック恐るべし!僕はここまで動けた自分を褒めてやりたい。
よくやった、僕!
頑張った、僕!
だから、もう、ゴールしても、...良いよね?
「ちょ...待て...僕...も、無理...。」
「え~、せっかくノって来たのに...。うーん、しょうがない、次の一発で生きてたら、山に住むのをゆるそうじゃないか。」
う、次の一発かぁ...。
しょうがない、せっかく転生(?)した命だ。頑張って生きよう。
まずは、結界、さっき即興で作った物より強固に作る。「強固」のお呪いを掛けて、自分には「幸運」の呪いを掛けておく。
ついでに「強固」も掛けておこう。
さあ!準備万端!いつでも来い!don't来い!
「お?準備は終わったかい?じゃあ、いくよ!」
「来い!」
「三歩必殺!」
「[反射]付与!鏡之結界!」
あ、今のちょっとカッコ良かった?
ズドォォォォォォォォォォンンン
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「良かったね、クロ!皆と仲良くなれて!」
「そうだね、ルーミア、でも、その間にあったスキンシップが大問題だけどね...。」
良い点は、反射を付与したこと。蛮崋さんに一発当てられたお陰で、何とか山に住まわせてもらえることになった。
「おい、ガキ、ちょっと来い。姐さんの仇を取ってやる!」
「ま、また?!て言うか赤鬼さんは死んでないよ!?」
悪い点は、結界の強度が足りず反射できなかった分の威力が僕を襲った事。ですが、本当に悪かったのは、赤鬼さんが、予想以上に信頼されていた事でした。
うん、最初はね、凄く尊敬されているんだなーとか思ってたんだよね。
でもね、だんだん怖くなってきたんだよ。
「よくも姐さんの柔肌をー」とか。
「俺だって闘った事ないのにー」とか。
「姐さんを近くで見れるなんて、なんて羨ましゲフンゲフン」とか。
もう、ね。怖いなんてもんじゃない。
だから、ルーミアに泣きついたって、良いと思う。
「う、ウワァァァン!ルーミアさぁぁん!」
「ちょっと、あんた達、新人が泣いちゃったじゃないの。」
「グッ!す、すみません、ルーミアさん(ちっ)」
舌打ちしたよこの人!
僕が何したって言うんだ!
「あはははははは!いやー、本当に一撃くらうとは思わなかったよ!なかなか面白かったよ!
て言うか正直言って、別に闘う必要無かったんだけどね!」
.....................はい?
「いやー、何か周りの奴らとは違う感じがしてたんだよねぇ!
うん!良いケンカだったよ!」
.............................はい?
エ?じゃあ何?暇潰しだったと?
こっちはかなり死ぬ気でやったのに?
「赤鬼さん」
「ん?なんだい?」
「......あれはそもそもやる必要が無かったと。」
「えーと、まあ、そうだね。」
はあ、そうですか。
「こっちは死ぬ気で頑張ったのに...。」
「ク、クロ?」
「ク、クロの闇が凄い事になってる...!?」
「......赤鬼さんの、バカああああぁぁぁぁ!!!!!!!!」
「う、うええええぇぇぇ!!ご、ゴメンよ!だ、だから泣かないで~~!」
僕はこの日から、赤鬼さんが苦手になった。