25話
何十年か経ったある日。
「諏訪ちゃん、お手紙だよ。」
「手紙?誰から?」
「ほら、あっちから来るよ。」
僕は空を指差して答えた。
「どうしたクロ、空なんて見上げて…ん?……んん!?」
「ちょっと!どうしたの!?」
「避けろ諏訪ちゃん!矢文だ!」
ガイン!
飛んできた矢を結界で防いだ。結構威力あるね、ちょっとだけ貫通してるよ。
「し、心臓に悪いわ!!」
「先に言えアホ!!」
「いいじゃん別に、この程度の矢なんて屁でも無いよ?」
「「問題点はそこじゃ無いんだよ!?」」
あーはいはい、ゴメンなさい私が悪かったです以後反省しまーす、と。結界を解いて落ちた矢を拾って諏訪ちゃんに渡した。
「ねえねえ、諏訪ちゃん、この矢なんか嫌な気配がする。」
「神力纏ってるからじゃ無い?妖怪には毒みたいなもんだし。」
「僕は妖怪じゃ無いんだけど?」
「え、俺初耳なんだけど。」
「んもう、睦月の友達である僕が普通の妖怪な訳無いじゃ無いか!」
「そうだよな!はっはっはっはっは!………それどういう意味だよ!?」
「はいはい、夫婦漫才しないの!…夫婦じゃ無いなこいつら。」
手紙の内容を見て諏訪ちゃんが震えだした!そんなに感動的な事が書いて…あ、いや、真逆だった。顔、真っ赤にして怒ってる。おお、なんか力が溢れる感じがするぞ!強い怒りをまじかで感じているからかな?睦月も手紙を読んでいる。
「睦月、なんて?」
「ああ…達筆過ぎて分からんとしか…どうした諏訪ちゃん。」
「大和の神が信仰不足だからここの信仰を明け渡せと、拒否するなら殲滅すると、それには書いてあるんだ!」
「「は?何それ、頭沸いてんじゃないの?」」
信仰と言えば神の大切なものじゃないか!?しかもそれを拒否したら人間を殲滅とか、なんで自ら信仰の絶対数を減らすのか意味わかん無い。すると今度は諏訪ちゃんから悲哀なオーラが。
「どうしよう、私、大和の神に勝てる程強くないし……。」
「ミシャクジ様がいるって!」
「おいおい、クロ、何言ってんだよ。八百万って言うだろう?800万、あるいはもっと多くの神が進撃して来るぞ?ミシャクジ様で◯ォールマリア作ってもすぐ崩されるぞ?」
「うぅ、ウォール◯リアが何か知ら無いけど…終わった……。」
「睦月のバカ!持ち直したと思ったのに!」
「何言ってんだ、現実見ろよ。」
「あ、睦月の目からハイライトが消えてる!?」
「手加減無用だ、大和の神のところに奇襲かけに行くぞ。なに、死にはし無いさ……多分。」
「ヤクザかあんたは!!魅力的な提案だから僕も行くけど!!」
***
神A「む、なんだ貴様ら!」
神B「ここを神々の地と知っていての狼藉か!」
「まだ来ただけだろうが。なに早とちりしてやがる。」
「そうですよ、まだ何もしてないじゃないですか。」
「「諏訪の国からの使者です(だ)、戦争しに来ました(たぞ)!」」
早過ぎるって?
HAHAHAHA!!それは違うよ!皆が遅すぎるだけさ☆
……すいません、はっちゃけました。