19話
ふう、やっとこさ書き終わった。
こんかい短いね。気にしないでネ!
「さあ、先ずは君の存在についてだ。」
「僕の...。」
「君は制限の無い入れ物だ。そうだな、いくら水を入れてもいっぱいにならない桶のような物だ。」
「それで、何ですか?僕は何が入る桶なの?」
「そうだな...憎悪、殺意、その他色々...と言ったところかな。人が、生物が、意思のある全てのものの負の感情、それの沈殿物、上澄みで出来ているのが妖怪とするならば、君は負の感情そのもの。呪いの塊だね。」
「呪いの、塊...?」
「そう、“呪ってやる”“呪い殺してやる”そんな感情だ。君はあの時、あの場所で、何かを感じたんじゃないかい?」
フム、確かに。
あの時、あのクソ野郎が宇宙船で逃げた時の事だ。人間の居る方から何かしらの力が流れてきた気がする。それに、呪ってやる、と言う気持ちも。あれは自分の勘違いじゃ無かったらしい。
「君がその、こっくりさん?になっているのは君の呪いのイメージじゃないのか?」
「え?うーん...そうかも......。」
僕がこっくりさんを知ったのは友人とそれで遊んでいたからだ。実際には全然当たらなかったけど。財布落としたんだけど、ものを探してくれるんじゃ無かったのかい?
「そして最後だ。君が世界規模で世の中を保っている理由だが、妖怪が溢れるのを防いでいるんだ。君が寝ていた間も。」
「どうやって?僕はそんな妖魔封印☆みたいなことできませんよ?」
「封印してるんじゃない。元を君が吸収しているんだ。」
「ほう?」
「私は君がいっぱいにならない桶のような物だと言ったね?その水に当たるものが、ズバリ人の負の思い、恐怖心だ。」
成る程、つまり分からん。
「まあ、その内分かるようになるさ。嫌でもね。」
「嫌でもって何ですか。怖いんですが?」
「まあ、苦労すると思うよ。でも君には頼れる味方が居るし、大丈夫かな?」
「...はい、善処します。」
「今回みたいに一人で何とかしようとか思っちゃいけない、なんて言わないけどね。たまには頼ってみたらいかが?」
そう言って白爺さんは優しい笑みを浮かべて消えていった。
なんとも不思議な時間だった。
「おーーい、クロ~、遅いぞ~!」
「はいはい、すぐ帰りますよ~!」
取り敢えず、呑兵衛どもを潰そう。
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やっとこさ方がついた。鬼とルーミア達を酔い潰した後、赤鬼さんの屋敷に放り込んでおいた。くそう...手間かけさせやがって.........。
落ち着いた所でゆっくり星を眺めてみる。何千年も前に見たあの夜空とは全然違う、人工の光により見えなかった星の一つ一つがよく見える。ただで見るプラネタリウムは美しい。
「...こんなこと考えるなんて、まだ酔ってるのかな?」
そう言えば寝る場所どうしよう。僕が起きた部屋で良いのかな?いや、でもあの部屋何処だ?赤鬼さんとルーミアに強制連行された上に寝惚けてたから道なんか分からんし。しょうがないからここで寝ようか...いい加減、眠くなってきた。気温も丁度良い感じだし。風邪にはならんだろ。
「ふぁ.........お休み、皆。」
寝る前に思い出すのは友人と遊んだ記憶、否、夢。
あの続きが見たいと切に願う。