1話
...まあ、ちょっと落ち着け、こんなところに来る前に僕が何をしていたか思いだそう。
人生の登竜門高校受験が終わり暇になったので、友人と一緒に遊んで遊んで遊びまくって、家に帰ってゲームで二日間徹夜した後寝た...はず。親は大分前に事故で死んでいる。なので、誰にも注意されなかった。春休みということもあり安心して徹夜が出来た。
で、今この状況。
予想では恐らく異世界トリップ、小説でしか見たことないよ...。どうしろと?
「あーあ、せっかく良いとこ受験したのに、無駄になっちゃったかなぁ。」
そう言いながら自分の頭をかく。
(んー、とりあえず人の居る場所を探しながら自分のことを整理しよう。...にしても、このフワフワ気持ち良い......ん?)
「フワフワ?」
モフモフモフモフモフ
「これ、僕の耳?!」
なんということでしょう!僕の耳が獣耳になっているではありませんか!僕は慌てて他に変わったところがないか確認した。
...尻尾がある。狐っぽい、でも柄が狸?意味分からん。
...一応、性転換の可能性を危惧したが、...良かった、ちゃんとついてました。
「とりあえず、人を探そう。あの辺の山とかに居そうだから行ってみよう。」
僕はとりあえず歩き出した。
ーーーーーーーーー ~二日後~ ーーーーーーーーー
僕は山まで来た。
道中、四つ程分かった事がある。
一つ、僕は妖怪らしい。
山へ行く途中で出会った人、もとい妖怪に言われた。
(相手が何の妖怪かは分からなかった)
母さん、僕は僕の知らないところで人間をやめてました。
一つ、僕には中二臭い力があった。
“結界と|呪いを操る程度の能力”だそうで。
何で分かったか?いや、なんか、感覚ですが?
これは意外と使いやすい。試しに結界を作ってみたり、その結界を殴ったりしてみた。この体は本気で木を殴ると木が木っ端微塵になる位強い。
なのに、何でですかね。傷一つ無いんですが?
頼りになります。
呪いの方は、結界にかけてみた。鏡にするつもで「反射」の呪いをかけてみた。
鏡に出来ました!
耳は犬耳のようだった。それに、服装が変わっていた。真っ白な着物に紺色の帯、意識したら段々寒くなってきた...。顔とか背丈なんかは変わっていなかった。ショック。
一つ、自分は恐らく狐狗狸さんだ。小学校の時に流行ったあれ。
犬耳、狐っぽい狸柄の尻尾、字だけを見たら狐狗狸さんだ。呪いが能力なのも頷ける。
...狐狗狸さんって妖怪か?
最後に一つ、
「いやぁ...まさか恐竜が居るなんて思わなかったよ。美味しいかったけど。」
かなりタイムスリップしてしまったようです。
...これからどうしろと?