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東方狐狗狸記  作者: 猫の子
16/31

15話0

「これじゃない、これも、これも違う!」

 扉を開ける一つ手前まで来た。

 それなのに!


「どうやってパスワードを変更したのよ!」


 セキュリティの完成段階で、これに触れるのは私だけだった筈…。クロは無い、そもそも理解してなかったし、姫様は論外だし。

 本当に…いつの間に!


「…永琳様。妖怪共が近づいていますので、私はここで。」

「ちょっと、あなたも他の人を見捨てる気なの?!」

「違います、死にに行くだけですから。」

「は?何を…。」

「どうせ、あっちの船には乗せて貰えませんし、永琳様も、私の様な者と月まで一緒に居られないでしょう。」

「何言ってるの!あなたも逃げるに決まっているでしょ!逃がさないわよ!」

「…永琳様、知っていますか?」

「何をよ?」

「この地は核爆弾によって爆破されます。数はおよそ二百とか。」

「なっ…!」

「だからさ、ちょっと待っててくんね?」

「はい?」

「(こら、せっかく説得してるんですから出てこない。)すみません。今のは二重人格とでも思ってください。」

「ええと、ちょっと待って。二重人格はどうでもいいわ。核って、そんなものいつの間に!人もいるのに?」

「ついでに、妖怪に痛手を負わせるつもりでは?後、このような文明を隠す為…とかですね。さて、永琳様、決心は鈍りましたか?」

「何の…事かしら?」

「何故、そんなに外へ出たがるんですか?」

「…友人が、居るから。」

「外へ出ることもなかったのにですか?」

「…研究資料を忘れたわ。」

「大丈夫です、既にこの船に乗せてあります。」

「嘘ね、あの量の物を、私が、私の家からここに来る前に、全て運べる訳無いもの。」

「いえ、月に着いたら分かります。あれは、捨ててしまうには勿体ない。」


 こいつ、いつ私の研究所に…?

 私の研究所に居たのは、クロと私の二人だけの筈…。


 ふと気づくと、私の手が止まっているのに気づいた。

 私としたことが、こいつの話を聞きすぎていたらしい。


 間に合わない。


――――――――――――――――――――――――――――――

 

「着いたよ。人間。」

 僕は、ロケットの前に居る。

 許すまじ、人間。

 そうやって、気合いを入れ直した、その時。


 ズドォォォォォォン


 爆音が鳴り響く。

 目の前は煙でよく見えないけど、分かった。

 ロケットが、飛んでしまった。


「ゲホッゲホッ!な、何で?!」

[予定の変更くらい、しないと思ったのか?まあ、低脳な妖怪には難しい発想か?]

 上を見上げると、大きな画面が浮いていた。映っていたのは、なんか太った奴だった。とりあえず、(仮称)豚で良い。

 しかし、しまった!予定変更されてる事を視野に入れていなかった!

 頭に血が昇りすぎだった!


[その土地に核爆弾を沢山置いてきた。精々遠くに逃げてみろ。]

「おいこら!他の人間逹はどうするつもりだ!」

[ふ…何を言っている。人間は、この船に乗っている者達しか居ないぞ?]


 何を言っている?

 ちょっと理解が追いつかない。

 つまり、地上に居る者達は、要らないの?


 街の方から声が聞こえる。


 ふざけるな、と

 殺す気か、と

 裏切る気か、と


 呪ってやる、と


 その声に比例して、僕の妖気が膨らんでいく。

 今なら本当の意味で何でも出来そうだ。


「う、ウウ…クアア………力ガ…溢レル……」

 これならあの船ごと破壊出来る。

 でも、かぐやちゃんが死んじゃうし…永琳も死んじゃうなあ……。

 核もどうにかしなくちゃ。


「お、居たな、クロ。なあ、核爆弾とやらはそんなに凄いのか?」

「…ウン。早ク、逃ゲテ?」

「何か雰囲気変わったな。妖気も私より多いんだけど。まあいい、ルーミア!全員に通達!人間拐ってとんずらしろ!」

「分かったのか!」


 流石、赤鬼さん。指示が早い。

「さて、逃げるぞ、クロ。」

「ン?アア、イイヨ。爆弾ヲドウニカスルカラ。」

「はい?」


 守る事は僕の専売特許だ。これだけ妖気があれば、この辺一帯を覆い尽くす結界が作れるね。

 広島がどれだけ大きかったのかは忘れたけど、何とかしてみよう。


 まずは結界を張ろうか。

 


永琳と話していた彼は、近い内にまた出ます。

出落ちキャラではありません(一応)。

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