13話 2
「赤鬼さん戦況は?!…あー邪魔だあ!」
兵士を蹴散らしながら、前へ進む。正直数が多いだけなのでウザったい。
「正直言って歩みが遅い!ハア!間に合わないぞっ!」
「吹っ飛ばしたいのかーーーー!」
「「「「「ウザッテェェェェ!!」」」」」
うん、分かる、大いに分かる。
赤鬼さんは拳を、ルーミアは闇の弾丸を、僕は結界を棒状にしたものを、
そして、それぞれの妖怪としての力を適当に振り回す。
掠れば吹き飛び、当たれば飛び散る(色々と)、直撃すると塵と化す。
それでもなかなか進まない。
「姉御!ルーミアさん!クロ!先に行け!」
「人間どもに遅れは取らねえよ!」
「そうだろおめえらぁ!」
「「「「「おうともさ!!」」」」」
「いいぞ、ちょうどいい捨て駒だ。せいぜい頑張れ!」
「「「「「「「妖怪舐めんな!」」」」」」」
「そのいきだ!」
赤鬼さんの激励も効いたみたいだ。これならなんとかなるでしょ。
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「ちょっと!あなた!これを開けなさい!」
「永琳様の作られたセキュリティですから、凡人の私には理解しかねます。」
「く…!」
こいつ…!どうしてやろうかしら!
とにかくどうにかして外に出なければ!
弓は…扉を破壊したら月に行けないし…。
…やはりハッキングするしかないわね…。
「ああもう!何でこうなったのよ!」
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「見えた!」
「やっとなのか!さっさと落としちゃうのかー!」
「また面倒なのが来そうだな…。」
赤鬼さん…変な事言わないでよ!
そんなこと言うから兵士がわらわら出てくるんじゃないか!
きっと違うけど。
よくよく見れば、僕たちに奇襲を頼んだあの兵士も居る。でも、一応蹴散らさせていただきます!
「やあ、さっきぶり。」
「おっと危ない。」
ありゃ?避けられました。雑魚とは一味違うんじゃないか?他の兵士と違い、銃を持たず刀を持っている。この時代に刀が在ったのか。
彼はその刀で斬りかかって来る、難なく避ける。
「強いね。今までの兵士とは全然違う強さだよ。」
「ありがとよ。…ところでだ、さっき何で避けた?お得意のバリアを張れば良いのに。」
「だってそれ、僕の守りじゃ足らないもの。それは武器の力じゃないでしょ?結界で武器を弾いてもリーチが縮むだけじゃない。」
「良く分かったな、確かに俺は能力持ちだ。何故分かった?」
「さっき既に抜いてたじゃん?地面を見ると結構深めの小さな溝が出来てたよ。それが地面に触れてたからって、さすがに切れ味良すぎない?」
「…そうだよな。俺の能力は“あらゆるものを斬る能力”だ」
「うわぁ…そりゃ酷いね。」
「自分で蒔いた種だが…切り殺す!」
「OK、呪い殺す。」
二人は同時に走った。
残り、20分。