埃
部屋の乱れは心の乱れ。
そんな言葉を聞いたことがある。
心が乱れていると余裕がなくなる。
余裕がなくなると意識を向けることが難しくなる。
意識を向けることが難しくなると見落としが生まれる。
そして見落とされた所には徐々に徐々に埃が溜まっていく。
一見すると綺麗な部屋。
でもよく見れば埃の山。
例えメイクやファッションで綺麗にしていても、心の疲労は蓄積していく。
ストレス社会。
仕事から帰った体をベッドに埋める。
柔らかい布団が私を包み、ふと涙が溢れた。
何もしたくない。
カップ麺を作る行動ですら、今の私には難しい。
どれだけ家で限界を迎えていても、外でに出たらそれは周囲には関係ない。
崩れかかった心をセロテープで固定して、無理やり形を保たせる。
けれど所詮はセロテープ。
粘着力なんてたかがしれている。
せめてガムテープなら良かったのにな。
そう思わずにはいられない。
社会に「私」という存在は必要ない。
出社すれば求められるのは歯車。
指示に従い、やるべきことを成し、許容量を超える業務が舞い込もうとも周りの歯車と同じペースで、狂うことも許されず、ただただ回り続けないといけない。
会社だけではない。
コンビニに行こうにも、歩道橋で夕陽を眺めていようにも、住宅街を歩いていようにも、素の自分を出すことはできない。
世の無数の「当たり前」が形を成した「常識」というものが、私をひたすら苦しめる。
家にいてもそう。
スマホの画面に通知が表示される。
友人からの連絡。
今度ご飯行こうよという何気ない内容。
でもそれに返すのは、今の自分を押し殺した上辺の言葉。
あぁ、どうしてこんなにも世の中は生きづらいのか。
どうすればこの積もり積もった心の埃はなくせるのか。
強引に吸い取ってくれる掃除機があればいいのに。
ただただ優しく、ただただ無感情に私を包み込んでくれる布団に埋もれながら、私は明日の自分に救いを求める。
明日は良い日でありますように。
出来立てほやほや、筆者の心情100%搾りたてジュース。




