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閑話:神話語り

 この世界が創造神によって創られたとき、この世は一点の曇りもない完璧な世界であったそうだ。

 世界は『悪』を知らず、無垢の輝きに満たされていた。

 この時代の世界は霊的に存在していたと言われている。


 あるとき創造神が『悪』に出会った。

 互いに相容れない存在であると認識したとき、『善』と『悪』による決定的な対立が生まれた。『悪』が世界に侵入し、霊的な世界に物質的創造が起こった。第二の創造である。


 物質世界では善悪が入り混じって互いに闘争する時代が長く続いた。

 人類は女神アナイス率いる善神たちと大魔王アンラ・マンユ率いる悪神たちの陣営に分かれて互いに殺し合った。


 しかし千年前、預言されていた救世主が現れついに大魔王を打倒し、永久に逃れることのできない檻に封じた。

 善神群が勝利し悪神どもの新たな侵入を封じることに成功した人類は、約束された善による世界の合一に向かって準備を進めている。世界のすみに残る悪神の残滓を洗い落としつつ、人々は自らの魂の浄化を成すために人生を通じて三徳(善思、善語、善行)を積むのだ。

 そして大魔王打倒から三千年ののち、最後の救世主が現れて世界の刷新が起こると預言に語られている。

 そこでは最後の審判を通して善も悪もすべてが浄化され、神々とともに永遠の調和に入ると言われている。


 女神アイナスは創造神と同一とされている。

 民衆からの信仰もあつく、各地にある神殿にはその御姿に似せた像が神聖な火の祭壇の上に祀られており、人々の参拝が絶えない。

 髪を下ろした乙女が幼子をあやすように抱きかかえる似姿から、人々は親しみを込めて女神アイナスを姫神様ひめがみさまと呼びうやまっている。


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