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絶望の闇と希望の光
暗闇の中、どこかへ沈んでいく
まるで底なし沼の真ん中で
縋る枝すらなく
もがく力もなく
ずぶずぶと静かに
誰に気づかれることもなく
ただ深く深く沈んでいく
永遠に辿り着くことのない闇の底へ向かって___
静寂の中、誰かの声が聞こえた
まるで誰かを呼び戻しているかのように
縋るように声を枯らして
こちらに差し伸べられた手を
恐る恐る掴む
その声が呼ぶのは私の名だと気づくと
掴んだその手が私を引き上げた
私はゆっくりと目を開けた
眩い光の中、愛しいその人の名を呟いた