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第43話 夜空の約束

踊りの輪から抜け出した三人は、少し離れた丘に腰を下ろした。

ここからは祭りの全景が一望でき、提灯の明かりが星々のように瞬いている。


「疲れた?」


孝太がアイリスに尋ねる。


「ううん、全然」


アイリスは嬉しそうに首を振る。


「むしろ、心が躍るような感じ」


リーシャが小さな笑みを浮かべる。


「私もよ。久しぶりに、こんなに楽しんだわ」


祭りの喧騒が心地よく響く中、アイリスは懐から何かを取り出した。

メイから預かった《デコーダー》だ。


「今日、これに触れていて気付いたの」


アイリスが静かに語り始める。


「私たちが守るべきものって、きっとこういう時間なのよね」

「どういうこと?」


孝太が尋ねる。


「メイは言ってたでしょう? 世界の真実は人々の笑顔の中にあるって」


アイリスは遠くの祭りを見つめる。


「今夜、私もその意味が分かった気がする」


突如、夜空に花火が打ち上がった。

大輪の花が夜空に咲き、そして儚く消えていく。


「綺麗……」


アイリスの目に、花火が映り込む。


「ねぇ」


リーシャが二人に向き直る。


「私たち、必ずこの世界を守りましょう。こういう時間を、みんなが楽しめるように」


アイリスは頷いた。


「ええ。そのために——」


その時、遠くの森から異様な光が漏れ出した。

三人の表情が一瞬で引き締まる。


しかし、アイリスは静かに微笑んだ。


「でも、今夜はこのままでいましょう」

「えっ?」


孝太が驚く。


「だって」


アイリスが夜空を見上げる。


「こういう大切な時間があるからこそ、私たちは強くなれるんじゃない?」


新たな花火が夜空を彩る。

その光の中で、三人は静かに頷き合った。


明日からは、また新たな戦いが始まる。

でも、今この瞬間は——ただ、この祭りの夜を心に刻んでおこう。


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