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第42話 祭りの輝き

「はい、できあがり!」


リーシャが満足げに宣言する。

鏡の前のアイリスは、その姿に見とれていた。

淡い水色の浴衣に身を包み、髪は涼やかに上げられ、小さな桔梗の髪飾りが揺れている。


「これが……私?」


アイリスが信じられないような声で呟く。


「とても素敵よ」


リーシャが嬉しそうに頷く。


「ねぇ、孝太さんにも見せに行きましょう」


二人が部屋に戻ると、孝太は思わず息を呑んだ。


「アイリス……似合ってるよ」

「ありがとう」


アイリスの頬が薄く染まる。


「さぁ、行きましょう!」


リーシャが二人の手を引く。


「お祭りはもう始まってるわ」


宿を出ると、街は既に祭りの熱気に包まれていた。

提灯の明かりが通りを照らし、様々な屋台が立ち並ぶ。

浴衣姿の人々が行き交い、笑顔と歓声が響く。


「わぁ……」


アイリスが目を輝かせる。


「近くで見ると、もっと素敵」

「おや、これは!」


聞き覚えのある声が響く。

振り向くと、タケが屋台から手を振っていた。


「なんや、浴衣で来てくれたんか! えらい可愛いお姫さんになって見違えたわ!」

「タケさん、口が上手なことは変わってないのね」


リーシャが笑う。


「当たり前や! さぁ、特別サービスや!」


タケが「タケちゃん焼き」を焼き始める。


「うちの新作や。祭り限定の味付けでな」


アイリスは初めて食べる屋台の味に、幸せそうな表情を浮かべる。


「美味しい……!」


祭りの通りを歩きながら、三人は様々な屋台を覗く。

金魚すくい、輪投げ、射的。

アイリスは全てが新鮮で、子供のように目を輝かせていた。


「あ、見て!」


リーシャが広場を指差す。


「踊りが始まるみたい」


太鼓の音が鳴り響き、輪になって踊る人々の輪が広がっていく。


「私たちも入りましょう」


リーシャがアイリスの手を取る。


「簡単だから、真似してればいいの」


輪の中に入ると、祭りの熱気がより一層強く感じられる。

アイリスは最初こそ戸惑っていたが、すぐに踊りのリズムを掴んでいった。


提灯の明かりに照らされた彼女の表情には、純粋な喜びが溢れている。

それは、まるで永遠に続いてほしいような、特別な時間だった。



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