第35話 メイの真意
機械生命体たちが一斉に襲いかかってくる。
リーシャの剣が閃き、最前列の敵を切り裂く。
「《デコーダー》、発射!」
メイが手にした装置から、再び虹色の光が放たれる。
光に触れた機械生命体は、まるでプログラムが解析されるように、その姿を崩していく。
「孝太! 装置を止めて!」
リーシャが敵の群れを薙ぎ払いながら叫ぶ。
孝太は即座にデバッグモードを展開する。
execute("analyze", "replication_device")
[解析結果]
[制御システム:多重構造]
[電源:未知のエネルギー源]
[警告:システムに異常なコードを検出]
「このコードは……」
孝太の目が見開かれる。
「ゼインのものと同じ特徴を持っている!」
「やっぱりね」
メイが両手の《デコーダー》を連射しながら言う。
「実はこの装置、《カオスマーケット》でも取引されてたのよ。でも、出所が分からなくて」
リーシャが眉をひそめる。
「あなた、本当は何者なの?」
メイはくすりと笑う。
「商人よ。ただし——"情報"を扱う商人」
その時、巨大装置が大きく振動を始めた。
中心から放射される光が、更に強さを増していく。
「まずい!」
アイリスが叫んだ。
「エネルギー出力が限界を超えようとしています!」
「任せて!」
メイがリュックから新たな装置を取り出す。
それは先ほどの結晶に似ているが、より大きなものだった。
「これは"現界物"を増幅する装置。孝太くんの力を何倍にも高められるわ!」
「でも、代償は?」
孝太が問う。
メイの表情が一瞬曇る。
「……使用者の"存在値"が一時的に不安定になる。最悪の場合、この世界から消えることも」
「そんな危険な!」
リーシャが反対の声を上げる。
しかし、選択の余地はなかった。
装置の振動が更に激しくなり、周囲の空間が歪み始める。
「やるしかない」
孝太が決意を固める。
メイから結晶を受け取り、デバッグモードに接続する。
途端、強大な力が体内に流れ込んでくる。
「うっ……!」
体が光に包まれ、視界が真っ白になる。
その中で、孝太は新たなコードを入力した。
execute("override", "system", "power=max")
光が渦巻き、世界が歪む。
そして——。




