第30話 解読の時
《エラーハンター》の攻撃が激しさを増す。
リーシャの剣が、何度も青い光線を弾く。
「はっ!」
リーシャの反撃が、機械生命体の装甲に火花を散らす。
[ソースコード解析進行中:120秒]
孝太は必死でコードの解析を進める。
「アイリス、暗号のパターンは?」
「複雑すぎるわ。でも……これは!」
アイリスの声が上がる。
「このコードの一部、ゼインのものと類似してるわ!」
「え!?」
その瞬間、《エラーハンター》の動きが一瞬止まる。
まるで、その名前に反応したかのように。
「見逃さない!」
リーシャが渾身の一撃を放つ。
剣が、ついに装甲を貫いた。
しかし——。
「なっ!」
傷口から、黒いデータの塊が溢れ出す。
それは、まるで生き物のように蠢きながら、傷を修復していく。
[ソースコード解析進行中:60秒]
「リーシャさん、あと1分!」
「ええ、分かってるわ!」
リーシャは剣を構え直す。
「でも、この相手……どこか様子がおかしいわ」
確かに、《エラーハンター》の動きには違和感があった。
まるで、何かを探しているような——。
[ソースコード解析完了]
[重大な異常を検出]
「これは!」
孝太の目が見開かれる。
画面には、驚くべきコードが表示されていた。
[対象:制御プログラム改変済]
[目的:オリジナルコードの探索]
[指令元:不明]
「やっぱり……!」
アイリスが叫ぶ。
「これは罠だったのよ。私たちを誘き出すための!」
その時、《エラーハンター》の体が大きく変形を始めた。
装甲が開き、内部から無数のケーブルのような触手が伸びる。
それらは、一斉に孝太めがけて襲いかかってきた。
「させるか!」
リーシャが孝太を庇う。
しかし、触手は剣を避けるように蛇行し——。
「く……っ!」
孝太の足首を掴んだ。
次の瞬間、強烈な電流が走る。
「うあああっ!」
[警告:強制データ抽出を検出]
[対象:オリジナルコード]
「孝太!」
リーシャが必死に触手を切り裂く。
意識が遠のきそうになる中、孝太は最後の手段を取った。
execute("override", "system", "force=true")
青い光が孝太の体を包み込む。




