第29話 未知なる敵
空間の歪みから現れたのは、まるで機械と生物を組み合わせたような存在だった。
銀色の装甲に覆われた人型の姿。その体の一部は、まるでデジタルノイズのように揺らめいている。
「あれは……《エラーハンター》!」
アイリスの声が震える。
「《エラーハンター》?」
「システムに発生した異常を排除する自律プログラム。でも、本来なら存在するはずのない存在よ」
機械生命体は、冷たい目で二人を見据えた。
SCANNING...
TARGET IDENTIFIED: CODE MASTER
IRREGULAR PROCESS DETECTED
INITIATING ELIMINATION PROTOCOL
「来るわ!」
リーシャが剣を構える。
《エラーハンター》の腕が変形し、砲身のような形状になった。
青白い光が集束していく。
「危ない!」
孝太は即座にバリアを展開。
execute("barrier", "area", "strength=max")
砲撃が放たれ、バリアに激突する。
衝撃で地面が揺れた。
「くっ……想定以上の出力!」
リーシャが突進する。
「隙を見せたわね!」
剣が銀色の装甲を捉えるが、刃が弾かれる。
「硬い……!」
《エラーハンター》は、まるで昆虫のような素早さで位置を変える。
その動きは、明らかに人智を超えていた。
「このままじゃ……」
孝太は焦りを感じる。
(時間ループの修復と、この戦い。両方をこなさないと)
その時、アイリスが助言を送る。
「孝太、あの存在の本質が分かったわ。これは"異常検知プログラム"の暴走よ!」
「なら……!」
孝太は新たなコードを組み立てる。
execute("debug", "target=ErrorHunter", "mode=source")
[ソースコード解析中]
[警告:高度な暗号化を検出]
[解読まで:推定180秒]
「3分か……持ちこたえないと!」
リーシャが孝太の前に立つ。
「任せて。その時間は、必ず作るわ」




