第2話 目覚め
目覚め
孝太はゆっくりと意識を取り戻した。
冷たい風が頬をかすめ、土の匂いが鼻をくすぐる。
「……ここは?」
目を開けると、そこには見たことのない風景が広がっていた。
青々とした草原、遠くにそびえ立つ巨大な山々、そして空には二つの太陽が輝いている。
「……二つ?」
孝太は目を疑った。さっきまで満員電車に揺られていたはずだ。
しかし、今いる場所は明らかに異世界。
「夢……なのか?」
自分の腕をつねってみる。
痛い。つまり、夢ではない。
孝太は周囲を見回しながら、先ほどの紙のことを思い出した。
import random;
print(random.choice(["You are going to another world.", "You are staying in this world."]))
あのコードの意味は、こういうことだったのか。
プログラムが “You are going to another world.” を選び、それが現実になった。
「そんな馬鹿な……!」
だが、考えている暇はなかった。
「おい、そこの奴!」
低く響く声が背後から聞こえた。孝太が振り向くと、鎧を着た屈強な男が立っていた。
まるでゲームや映画に出てくるような中世の騎士のような格好だ。
男は大きな剣を持ち、警戒するような目つきで孝太を見つめている。
「貴様、何者だ?どこから来た?」
孝太は答えに詰まった。
(……どうする?下手に答えたらヤバいかもしれない)
とりあえず、適当にごまかそうと口を開いたその瞬間——
ピコン!
突然、孝太の目の前に青白い文字が浮かび上がった。
まるでゲームのシステムメッセージのように。
[スキル「プログラム言語の加護」を取得しました]
「……は?」
孝太の異世界での冒険が、今始まる——。




