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第一部 夢の一歩 7話

これがちゃんと投稿されているならうまく出来たということ

猿楽の肩に乗っているエンマは考えている


「猿楽、スキルについて詳しい説明あったか?」


猿楽は走りながら


「いやざっくりとしか分からなくて、植物に関するスキルって事ぐらいしか」


エンマは頭を抱え、頭の中だけで考える


「そもそもおいらに魔力なんてあるのか?」


「いや、今はそこが問題じゃないか…スキルが使えたとして、どうやって大蛇と戦うか…」


その時、激しい戦闘音が聞こえてくる


「エンマ!あそこか!?」


更地になっている場所が見えてくる


「シルフーーー!!」


猿楽はシルフの名前を叫びながら、更地になっている場所へ飛び込んでいく


「マスター…逃げ…て…ください」


猿楽の目の前に大蛇に吹っ飛ばされ、傷だらけのシルフが倒れ込む


「シルフ!助けに来たぞ!」


その時大蛇が牙を剥いて突っ込んでくる


「シャアアア!!!!」


猿楽はシルフの状態を見ながら


「エンマ!任せた!」


エンマはやけになりながら、猿楽の肩から跳び降り、近くの切り株に手を当ててスキルを唱える


「よくわかんないけど、おいらのありったけ全部くれてやる!成長グロウ!!」


すると切り株は急激に成長し突っ込んできていた大蛇を持ち上げながら大木になる


「おお!!すげーぞ!エンマ!」


猿楽は目の前の光景に驚き感動する


「へへ、おいらすげー…」


エンマは力が抜けたように倒れる


「エンマ!!」


猿楽は倒れたエンマを抱えて声をかける


「大丈夫か!?エンマ!!」


エンマは気絶している、猿楽はシルフに助けを求める


「シルフ!エンマが!!」


シルフもぐったりして意識が無い


「どうしよう…」


倒れた二人を見て動揺する猿楽、その時大木の上から大蛇の声がする


「シャアアア!!」


猿楽は大木を見上げて


「あの魔物まだ生きてる…俺がどうにかしなきゃ!!」


猿楽は近くに落ちていた木の蔓でエンマを自分の体に縛りつけ、シルフをおんぶしてテントの方へ向かう


「俺が絶対助けるからな!」


重さで走ることはできず、ゆっくりと歩きだす猿楽


「あの人間、魔物をおぶってるにゃ!!」


遠くの木の上から望遠鏡を覗いて猿楽達を見ている猫がいる


「面白いから助けてやるにゃ」


近くにいる執事の格好をしたイケメンに指示を出す猫


「かしこまりました」


イケメン執事が右腕を前に出すと、右腕が多くのコウモリになって飛んでいく


「シャアアア」


大蛇は木に絡みつきながら降りていく


「はぁ、はぁ…急げ、急げ」


猿楽は星助の時から走り続けている疲労と、二人の重さで限界が近づいていた


「キィイイイイ!」


猿楽達を追おうとしている大蛇にコウモリがまとわりつく


「シャアアア!」


大蛇は尻尾を振ったり、身体を捻ったりするがコウモリ達は離れない


「吸え、吸収インホール


遠くで右腕の無いイケメン執事がスキルを唱える


「ギャァァァ………」


コウモリ達が噛み付き、大蛇は声をあげて痛がるが、次第に声は小さくなり


「あまりいい血では無いですね」


イケメン執事はつぶやいた


「残念だったにゃ、ヴァンピ」


猫は笑いながらイケメン執事ヴァンピに話しかける


「あの人間は美味いかもしれないにゃ!しばらく様子を見て楽しむにゃ!」


ヴァンピは答える


「かしこまりました。楽しくなりそうですね、陛下」


ヴァンピは戻ってきた右腕のコウモリと共に全身をコウモリに変えて猫を包み込み空に消えていく

____________________________________________

限界が近づく中、必死に歩みを進める猿楽


「大丈夫だぞエンマ、シルフ、もうすぐだからな」


エンマとシルフに声をかけながら森を進んでいると


「通してくれ、家族が重傷なんだ」


猿楽はホーングリズリー二頭と向かい合い、強い表情で言う


「グルルッ」


睨み合っていたその時、大蛇の叫び声とコウモリの鳴き声が聞こえる


猿楽はホーングリズリーから目を離さず見つめ続ける


ホーングリズリーは危機を感じて去っていく


「ありがとう」


猿楽は背後で起こった事に気づかず、ホーングリズリーがわかってくれたと思い、感謝の言葉を言い歩みを進める

____________________________________________


松明に照らされた、洞窟の中。


高貴なテーブルと椅子がある。そこに座っているのは先程の猫。


ブーツを履いていて、さながら長靴を履いた猫の様。


ヴァンピが紅茶とお菓子を持ってくる


猫はカップを手に取り紅茶を飲む


「にゃっち!!」


猫舌だ。


ダサさを取り返すように精一杯のイケメンな顔と声で言う


「うん、美味い」


猫を余裕で越えるイケメンさと声でヴァンピが話す


「申し訳ありません。少々熱すぎました」


猫は負けじと頑張った声で


「構わぬ、これぐらいが美味いのにゃ」


語尾が“にゃ“なのでどうしても可愛さが出てしまう


「あの人間はどうなったにゃ?」


猫の問いにヴァンピが答える


「無事生きています。私の分体をつけておりますのでいつでも確認できます」


猫はニヤリとして


「楽しみにゃ!あの人間、我の配下につけようかにゃぁ?」


ヴァンピは静かに


「陛下の赴くままに」

____________________________________________


木にコウモリが止まっている。その目線の先には猿楽


「はぁ、はぁ…着いたぞ二人とも」


テント中から少し元気になった星助が出てくる


「プギ!」


猿楽は星助に近づき


「危ないからテントに戻るぞ、星助」


限界ギリギリの中、星助に優しい口調で話しながらテントの中に入る猿楽


「みんな無事でよかった…」


猿楽はテントの中で倒れ込む、星助が猿楽の側で横になり


「あのでっかい蛇も、熊さんもみんな家族になれたらなぁ…」


そう呟きながら猿楽は目を瞑る

____________________________________________


王の間にて、ロミルと王が話している


「少しの間、国を離れる許可をください。この戦いを終わらせるために」


王は困った顔で


「すまぬ、ロミル、其方にはやってもらいたいことがある」


ロミルは少しイラッとしつつも


「やってもらいたいこととは?」


王は申し訳なさそうに


「近いうちに開かれる、闘技大会に出場してほしいのだ」


ロミルは闘技大会の事を知らなかった


「闘技大会?」


王は説明する


「お主に頼ってばかりもいられないのでな、闘技大会を開き強者を募ったのだ」


ロミルは王国の騒がしさはこれか、と合点が入った


「それで祭りの前のような騒ぎになっているのですね」


ロミルは続ける


「私が出場しなくても、戦いを見て判断したら良いのではありませんか?」


王は少し考え


「ベシャリが其方に直接判断してもらいたいと…」


ロミルはさらに苛立つ


慌てて王が続ける


「出場といっても、最後に残った三名と手合わせしてくれたらよい。それに其方が認めれば、少しの間国を離れることを認める」


それを聞いたロミルは静かにため息をつきながら立ち上がり


「わかりました。闘技大会が終わったら、少し国を離れます」


そう言って王の間を出ようとするロミルに王は動揺しながら


「其方が認める強さの者がいればだぞ!ちゃんと判断するんだぞ!」


ロミルは振り返り


「もちろんです陛下」


そう言って王の間を出ていく


王は椅子に座りため息をつく


「はぁ〜、どうしよう…強い者がいますように!」


そう言いながら手を合わせお祈りする王


「失礼します!」


兵士が入ってきてお祈り状態の王と目が合う


「どうした?何用だ?」


王は慌てて座り直し毅然として問う


「闘技大会に向けていくつか確認が」


兵士は何も見なかった事にして、目的を伝える


「わかった。聞こう」


王は少し顔を赤くしながら兵士と話す

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