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第一部 夢の一歩 6話

予約投稿ってやつをやってみたくて三話分書き溜めました。

三日間22時に投稿されるはず!


その後は気分!!

辺りは暗くなり、夜になっていた


「どうしたんだよ猿楽!」


エンマとシルフが猿楽に追いつき声をかける


「大変だ…」


猿楽は目の前の光景を見てつぶやく


「これは」


目の前をピッグルーの群れが走り去るのを見ながらシルフもつぶやく


「猿楽、落ち着けよ」


エンマはその奥の魔物を見て、飛び出しそうな猿楽を落ち着かせようとする


「あの時のピッグルーだ…」


「助けなきゃ!!」


猿楽は勢いよく走り出す


「マスター!!」


シルフが猿楽を追い抜き魔物の前に立つ


「シャアアア」


ゴクンッとピッグルーを丸呑みにした大蛇とシルフが睨み合う


「シルフ、勝てんのか…」


シルフの背中に乗って隠れていたエンマが小さい声で言う


「わかりません、エンマはマスターを落ち着かせてください」


エンマはシルフの背中から木に飛び移る


「猿楽はおいらに任せろ」


シルフに対して威嚇する大蛇


「ギシャァアアアアア!!!!!」


シルフは動じず、牙を出し、大きく口を開け、雄叫びをあげる


「ウォォオオオオ!!!!」


シルフは心の中で語る


「マスター達といて自分が牙を持つ魔物だという事を忘れてました…」


シルフは雄叫びをあげると大蛇に言葉をかける


「勘違いするなよ、私が狩る側だ」


大蛇は口を開けて突っ込んでくる、上に跳び躱すシルフ、そこに大蛇の尻尾が勢いよく振りかざされシルフは受けつつもその威力に身体を捻って流す。


再び両者向かい合う


「力では敵わない…」

____________________________________________


シルフが大蛇と戦い始めた頃、猿楽はあの時の星模様のあるピッグルーを抱えていた


「大丈夫か?今すぐ安全な所に」


脚を怪我しているピッグルーは力を振り絞り猿楽から離れて逃げようとする


「無理すんなって、俺が助けてやるから」


近づく猿楽を必死に睨み威嚇する


「プギィ!」


猿楽は地面に寝そべりピッグルーと目線を同じにする


「俺、猿楽っていうんだ!」


ピッグルーは警戒を解かない、そこにエンマがやってくる


「猿楽!シルフが戦ってくれてる!逃げるぞ!」


猿楽はシルフが戦っている方を見る


シルフは大蛇の攻撃を躱しながら爪で引っ掻いたり噛みついたりして応戦しているが、そう長くは持ちそうにない


「シルフ…」


エンマもシルフの状況を見て、猿楽にもう一度


「逃げるぞ!」


意識が別の方に向き、警戒を解いたのか、脚の痛みで倒れるピッグルー


「こいつも連れていく!」


猿楽は倒れたピッグルーを抱えて走り出す


「シルフ!逃げるぞ!」


エンマは木の上からシルフに猿楽が走り出した事を指差して伝える


「マスターが見えなくなるまでは持ち堪えます!」


その隙に大蛇の尻尾の一撃がシルフに炸裂する、続けて牙を剥いて大蛇がシルフに襲いかかってくる


「シャアアア!!!」


シルフに噛みつこうとした大蛇に上からエンマが大蛇の目に蹴りを入れる


「おいらも戦うぞ!」


エンマは震えながらシルフの前に立つ


「助かりました、エンマ」


シルフはエンマの横に立ち


「エンマは無理せず木の上から奇襲を、私が引き付けます」


エンマは強がりながら


「蛇って食べれるんだぜ」


シルフは少し笑いながら


「それは楽しみです!」


大蛇が突っ込んでくるのを二人は分かれて躱し、シルフは大蛇に体当たりする


「おりゃ!」


シルフの体当たりで怯んだところにエンマが飛び付き目に攻撃を加えて離脱する


「シャアアア!!」


大蛇は嫌がり、ゆっくりトグロを撒き始める


「エンマ!私の背中に!」


エンマは指示通り、シルフの背中に飛び乗る


「どうした?シルフ」


「しっかり掴まってください!」


大蛇はトグロを巻いた反対回りで尻尾を解放する、シルフは伏せたり跳んだりしてどうにか尻尾を避けている


「わああああ!シルフ!上!」


木々が薙ぎ倒されてくるのをギリギリで避けたところで大蛇の回転が終わる


「ここまでかもしれません」


辺りの木々が倒れて大蛇の周りが円形に更地になる


「これじゃ、おいらは戦いに参加できない」


「マスターはもう見えなくなりました、エンマは逃げてください」


「シルフはどうするんだよ!」


「私は逆方向に逃げてあの魔物を引き付けます」


「そんなのだめだ!一緒に逃げるぞ!」


「それではだめです!!あの魔物も一緒に来てしまいます」


エンマも理解しているが納得できないでいる、そこに大蛇が尻尾を叩きつけてくる


「キシャアアア」


シルフはエンマを乗せたまま躱し強い口調でエンマに言う


「必ず戻ります!行ってください!」


エンマはシルフの背中から降りて


「猿楽が一生泣くから絶対戻れよ」


エンマは振り返らず猿楽の元へ走る


シルフは微笑み


「弟達もこんな気持ちだったのでしょうか…」


シルフは心の中で語る


「エンマは強いですね、全てを理解して私を置いていってくれた…」


エンマは涙ぐみながら走る


「シルフは死ぬつもりだ、そんなの猿楽が絶対許さねぇ、おいらも許さねぇ、考えろ!考えろ!」

____________________________________________


猿楽はテントに辿り着く


「名前は星助ほしすけ、早くテントに入れてくれ!」


:星助を登録しました。


星助を抱えてテントの中に入る猿楽


「もう大丈夫だぞ」


星助は痛みと疲労でぐったりしている


「まずは脚の傷をどうにかしなきゃ」


猿楽はテントを出て、コップに川の水を汲みテントに戻る


「ちょっと我慢してくれよ」


リュックから救急箱を出し、星助の傷口を洗い、消毒する


「プギー!」


消毒の痛みで思わず声が出る星助


「よく頑張ったな、ひとまずこれで大丈夫だ」


脚に包帯を撒き、寝袋で星助を包む猿楽


「テントの中は安全だからシルフの所に戻らなくちゃ!」


テントを出るとちょうどエンマが戻ってきた


「エンマ!大丈夫か!?」


エンマは息を荒くしながら


「猿楽!スキルだ!」


猿楽は訳が分からず


「スキル?今必要か?そんなことより早くシルフのところへ行かなきゃ!」


そう言いながら走り出す猿楽に思い切り蹴りを入れるエンマ


「何すんだよ!エンマ!」


エンマは猿楽の服を掴み


「おいらの話を聞け!!」


猿楽はエンマの気迫に驚き、落ち着く


「ごめん、どうしたらいい?」


エンマはテントに着くまでに考えついたことを話す


「シルフを助けるためには力が必要だ、スキルとかいうのでおいら達は話せるようになっただろ?だから戦うためのスキルは無いかなって」


エンマの話を聞いた猿楽はテントの前に立ち


「戦うためのスキルを教えてくれ!」


:現在“猿楽の家“が取得可能なスキルはこちらです。


:登録された個体にスキルを付与することができます。


:個体毎の取得可能なスキルはこちらです。


猿楽は文字を読み


「エンマにスキルを付与する!」


それを聞いたエンマはびっくりして


「はぁ!?おいら!?」


猿楽はスキルを選択する


「だって家にスキルつけるか、俺以外の誰かにつけるかの二択だったんだもん」


その時エンマの頭の中に言葉が流れ込んでくる


:スキル 植物育成ガーデナーを取得しました。


:使用可能スキル 成長グロウ


:注いだ魔力の分だけ植物が成長します。


植物育成ガーデナーって植物成長させてどうすんだよ!」


エンマはスキルの説明を聞き嘆く


「エンマは野菜とか詳しいし、ピッタリだと思って!」


猿楽は笑顔でエンマに親指を立てる


「なんかおいらがデカくなるとか、力が出るとか!ああもう!とにかく急ぐぞ!」


エンマはこのスキルじゃない感を感じつつもシルフの元へ向かう


「エンマなら大丈夫!俺が保証する!」


そう言いながら猿楽も走り出す


「うるさい!考えるから肩乗せろ!」


「よしきた!待ってろ!シルフ!!」


エンマを肩に乗せ猿楽は全速力で走る

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